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2部〜3部_3
また別のところでは
丈の合っていない外套で
すっぽり姿を隠した影が
うっそうとする森の中を走る。
(ヤバい! ヤバい。ヤバい!
これは絶対に知られたら
まずいヤツだ)
なるべく遠くへ、
誰の目も届かない所を
ひたすら目指す。
行き先を阻むように垂れ下がる枝が
影を引っ掻ける。
その一本が頭を覆うフードを剥がし、
長い絹糸のような金髪が
闇の中に消えていった。
「春が来る」
連合国との戦場から戻り
王国の玉座に座ったラントは
疲れてへたばる二人に言った。
「今まで日の目を見ることのなかった
軟弱者どもが芽吹いている頃合い。
本来なら腐り落ちるだけのそれらが
長く見積もって年内に実る。
実に喜ばしいことだ」
大きな変化を受けて多くのモノを失った。
しかし、そこから新しく生まれるものもある。
新しい団体、文化、そして力。
ラントは未来に希望を持っていた。
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