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2部~3部_2
少年が焼かれた地面に
倒れたのと同じ頃。
「なんか騒がしいなぁ」
裾で顔を拭く男が呑気に呟いた。
世俗から遠く離れた森の中で
悠々自適に単身生活を楽しむ彼も
まるで世界全体を呑み込んだような
光に照らされてから異変に気づく。
(やけに近く感じる)
冬の晴れた日の朝と同じほど
遠方の様子が分かる。
聞くことに集中すれば
会話の内容まで理解できそうだ。
聴覚だけじゃない。五感全てと
活力が溢れるほど満ちている気がする。
「ガウッ!」
突然、背後から野犬が襲いかかってきた。
しかし、気配を感じていたし
動きも遅く感じていた。
いつもなら焦ってしまうのに
今は全く恐れを感じない。
拳の甲で叩きつけると
顎を粉砕して野犬は動かなくなった。
理由は分からないが強くなった自覚があり、
そして今まで胸の内に隠れていたものが
目を覚まし始めた。
読んでいただきありがとうございます。
今後も掲載する予定です。
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