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地獄_3
ラントに対して敵対心や恐怖心など
負の感情を持っていた。
しかし、それは間違いだった。
「あっ。無理だコレ」
差というより強さの次元が違うことに
気づいてしまった。
力不足を感じて悔しがるとかではなく
初めから無理だったのだ。
気づいてしまえば不思議と
穏やかに納得してしまった。
「実にお前たちらしい平和的で
上手く媚びる技術だ。
程々に手を抜きつつ、
いかにも努力しているように見せている。
だが、やはり戦狂いの俺としては物足りない。
だからそんなお前たちを、
俺が救ってやった」
「…………何をしたって?」
言葉の意味が分からない。
今しがた大虐殺をした存在が
とんちんかんなことを言いだした。
ラントは指を2本前に出す。
「封印2つ分の俺の力を
王国・連合国すべての人間に分配した。
使い方次第では幼子でも複数の大人相手に勝てる。
魔獣・悪党なんのその!」
ラントの言葉が芝居がかる。
「夢の様だろう?
まるで絵物語の主人公だ。
お前たちは強さを得て、
俺は強い相手を得た。
これぞ正しくWin-Winであろう」
「ふざけるな!」




