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地獄_4
ラントの行いは
権利を平等にする意味では
善行かもしれない。
どうしても力の優劣で発言権の大小が
変わってしまうから。しかし、
「そんな生やさしいものではないだろう!」
全ての人間に大量殺戮兵器のボタンを
渡したようなものだ。
悪意のある人間が使う問題もあるが、
子どもがオモチャを飲み込む感覚で
それを押してしまうことも十分考えられる。
いつどこで暴発し人生が終わってもおかしくない。
そんな世界にラントは変えてしまったのだった。
「お前のせいで、自覚もなく罪を犯す人間が
生まれるようになったんだぞ!
その責任をどう取るつもりだ!」
「責任? そんな責任は知らんな。
間違えないよう呼びかければ良いし、
間違えたなら周りが止めれば良い。
今こそお前たちの『助け合い』が
意味を持つようになった。それだけの話だ」
こうして話している間にも
破壊音がいたる所から聞こえる。
被害がどんどん拡大していった。




