20、ジョン
「そういう事なんだ」
お昼休み、マルイチさんに教えて貰った公式サイトを見ていた。
その中にモンスターの種類の項目が有り、ユニークや希少種などの説明ものっていた。ユニークは一定の確率で出現し、体の色が通常とは違いスキルやステータスが強くなっている。
希少種は特定の条件を満たす事で、フィールドの何処かに凄く低い確率で出現する。希少種は強力なモンスターが多いが、出現回数が決まっている物や倒すとそのまま出現しなくなるモンスターなどもいる。
ちなみにサイトにはアイアンクラブとシービーの2体の希少種の情報が乗っていた。条件はほぼ同じでパーティーに召喚士か魔物使いがいる事と100体それぞれ決まったモンスターを討伐して、ドロップした素材で料理を作る事だった。
「空くんもゲームをやっているんですね」
声をかけられ振り返ると、同じクラスで副委員長の凪紗さんが立っていた。
「勝手に見てごめんなさい。空くんが真剣そうに見てたから気になったんですよ。それにしても、空くんもこういう冒険するゲームをするんですか?」
「はい。ここ最近やってるんです」
「意外ですね。空くんだったら、もふもふした可愛い動物と遊べる様なゲームをすると思ってました」
そう言って、凪紗さんは微笑む。
「私もAnother Worldやっているんですよ。近い内に新エリアが解放されるんで、そのとき一緒に冒険しませんか?」
「はい、いいですよ」
本当は既に新エリアにいるが、僕はゲーム内外で有名になってきている。過去に身バレが起きてトラブルに巻き込まれた人も多いので、あまり自分に繋がる様な話をしない様にマルイチさんから忠告をされた。
凪紗さんはそんな事をしないと思うが、誰かが聞いているかもしれないので気をつける。
「ただ、僕がやってるのは秘密にしてて下さい」
「分かってます。空くんがやっている事は誰にも言いません」
凪紗さんはそう言うが、ゆるい様子を見て僕は不安になった。
「そろそろ授業だから、教室に戻りましょう」
午後の授業が始まるので、僕は凪紗さんと一緒に教室に戻った。
「みんな、ただいま」
ゲームにログインするとシル達が駆け寄って来て、皆におやつをあげてから町の外へ出る。
今日は海岸エリアでハンタークラブを討伐しながら探索していると、砂浜で流木に座っているNPCを発見する。
荒野のガンマンの様な格好をしていて、細長いバックを背負っている。
NPCは僕を観察する様に見ると立ち上がり近付いて来る。
「魔導銃を持っているのか。しかもそれは改造もされていない旧式か」
「あなたは?」
「俺の名前はジョン、多くの魔導兵器を生み出したシャルー王国から来たんだ」
「僕はソラです。この子達は僕の仲間です」
軽く自己紹介が済ませると何かのイベントが発生した様で、ジョンさんは袋から銃を取り出すと僕に見せてくれる。
僕の持っている物は拳銃の形をしているが、ジョンさんの魔導銃は狙撃銃の様だった。
「俺のもソラの持っている魔導銃と同じ物だ」
「見た目が大分違うんですけど」
「旧式の魔導銃はパーツを使って、自分に合った物にすることが出来るんだ。俺の場合は狙撃が得意だから、魔導銃も狙撃特化させた改造をしているんだ」
ジョンさんは2つのパーツを僕の前に置いた。
自動で照準を合わせるサイト、威力は半減するが追尾弾を撃てるようになるマガジン。
「昔はもっと有ったが新型の魔導銃が開発されてからは造られることは無くなり、戦争で旧式は破壊されて現存するパーツは殆ど無い」
ジョンさんが言い終わった瞬間、久しぶりに僕の前に赤いプレートが現れる。
「俺のはもう改造する必要が無いから、このパーツは持っていても仕方ないんだが貴重な物だからただであげる事も出来ない。
そこで、試験として今から言う魔物を倒してくれないか?倒せればどちらか1つをソラにあげよう」




