14、優勝者
「第1回大型イベント、バトルロワイヤルの優勝者はソラだ!おめでとう!」
光に包まれると僕達は始まりの街の広場に戻って、表彰台の上にいた。隣りにはマルイチさんと襲って来た男の人が立っている。
「テイマーのソラには賞品としてモンスターの卵が贈られる。この卵からはユニークモンスターが産まれるから、大事に育ててくれ」
女の人が近付いて来て籠に入った卵を受け取る。シルとホノが興味津々に卵を見ている。
「そして副賞として【殺戮者】のスキルと今度実装される新フィールドに自由に行き来出来る権利を贈る!」
その瞬間、聞きなれたアナウンスが流れる。
新しいフィールドがどんな所なのか楽しみであれこれ想像してしまう。
2位のマルイチさんは欲しかった縛士専用の武器を受け取り、副賞には縛士専用の防具を贈られた。3位の人はカインと言うらしく、専用の大剣と副賞の防具を受け取っていた。
「第1回大型イベントは終了です!それでは引き続きゲームを楽しんで次の大型イベントで会いましょう!」
最後に盛大に花火が上がり、イベントが終了する。僕達は表彰台から降りると大勢のプレイヤーが走って来るので宿屋に駆け込む。
ひと息付いてそのままログアウトした。
次の日の朝、学校ではAnother Worldの話ばかりされていた。
昨日のイベントは生配信されていた様で、僕やマルイチさんなど参加していたプレイヤーの話で盛り上がっていた。
「そう言えば、内のゲーム部のメンバーも参加してらしいよ」
「俺、見てたよ。凄い強いプレイヤーを倒したんだけど、すぐに黒い巨狼の群れに襲われて倒されてた」
「それって、あのソラっていう子のモンスターだよね。ほら、この大きな狼でしょ」
「そうそう!」
クロに乗っている僕の画像を出して話している。
「この優勝したソラって子、可愛いよな~!」
「ベータの抽選に当たってれば、今頃はプレイ出来たのに………」
「なぁ、よく見ると空に似てね?」
その瞬間、一斉に皆が僕を見て来る。
ばれたのかなと緊張する。
「本当だ。確かに似てるな」
「でも、空はゲームをしないだろ。やるとしてもほのぼのした可愛い動物とか出るゲームとかだろ」
「そうだよな」
その後も隣りのクラスやすれ違った先輩など色んな人から見られ続け、街ではゲームの広告が流れていて僕が映っていた。
それを大勢の人が見て色々話していて恥ずかしかった。