13、バトルロワイヤル 4
「ありがとう。今度はゆっくり遊ぼうね」
甘えてくるクロ達を撫でていると、時間が来てクロ達が影の中へと消えて行く。
あれから1時間が過ぎ、生き残ったプレイヤーが廃都市に集まり始めていた。
「マルイチさん、どうですか?」
「幾つかパーティーを見つけた。どれもランキング上位のプレイヤー達で、みんな協力している見たいだね」
マルイチさんが塔の上から望遠鏡を使って、周囲の状況を確認している。
「都市の中に入り始めた。どうする?」
「先にこちらから攻撃をします。シル、ホノ!」
シルとホノが地面に手を触れた瞬間、木の根が四方八方に伸びて行く。
そして、遠くの方で木の根が一斉に飛び出して上空に光の破片が舞っているのが見える。
「どうですか?」
「殆どのプレイヤーが消えたな。ちょっと待て!4人のプレイヤーが走って来て、ぐはぁっ!」
マルイチさんが悲鳴をあげ、HPがいっきに4割削れている。
塔から降りて来たマルイチさんにシルとホノが魔法で回復させる。
「大丈夫ですか!」
「あぁ、それよりすぐにここを離れよう!」
「見つけたぞ!」
振り返ると剣を振り下ろそうとする男の人がいた。
その瞬間、マルイチさんが魔法でその人を拘束する。そのまま逃走を開始すると、顔がそっくりな2人の女の子と黄土色のローブを着た男の人が追いかけて来る。
「ララ!」「ルル!」
「くらえ!」
シルとホノが魔法で牽制し僕はカーソルが捉えた瞬間、【早撃ち】で6発の弾をローブの人の頭に叩き込む。
「ジーンさん!」「よくも!」
僕は鞭から短剣に装備を替え、少女の剣を受け流し脇腹の辺りを切る。
もう1人の子が両手に短剣を構え近付いて来るが、シルとホノが伸ばした根で捕えそのまま地面に何度も叩きつけ光の破片にする。
僕は踊るように少女の剣を避け、隙を見つけては切りつけ撃ちながらHPを削り切る。
「近接戦も出来たのか」
「こう見えて運動は得意何ですよ」
「ジーン達がやられたのか」
最初に襲ってきた人が現れる。
僕はナイフと魔導銃を構えると、マルイチさんが近付いて行く。
「マルイチさん!」
「ソラ、ここは俺が足止めするからここから離れるんだ」
「僕達も戦います!」
「今、生き残ってるプレイヤーが集まって来ているんだ。ソラだったら彼だけを相手にすれば確実に勝てるが、横槍を入れられたら絶対に勝てない。だから離れて、一旦体制を整えるんだ」
するとシルとホノが袖を引っ張る。
僕は頷き、急いで離れる。
─────────────────────────────
俺は目の前のプレイヤーと対峙する。
「あんたがカインだな」
「そう言う君は、束縛のマルイチだな。ベータ版の時にPKキラーのギルドを設立し、多くのPKプレイヤーを捕縛し倒した」
「よく知ってるね。まぁいい。しばらく俺に付き合って貰うよ。
どうしても俺は上位に入賞したいからね」
俺は懐からロープを数本投げる。
ロープはまるで意志を持っているかの様に動き、避けるカインを捕らえようとしつこく追い回す。
「足を止めると捕まるぞ。アースハンド」
「くっ!」
カインがロープを斬ろうと足を止めた瞬間、魔法で土の手を創り出し両足を掴む。足を掴まれ動け無くなったカインに一斉にロープが飛び掛るが、それらを全てカインは斬る。
するとカインの剣が青い光を纏うのが見え、俺は慌てて縄を木に投げ縮む勢いを利用し一気に距離をとる。カインが剣を振るい青い斬撃が飛び、さっきまで立っていた場所を通り過ぎて行く。
「2度も同じ攻撃はくらわないぞ」
俺は内心冷や冷やしながらも、カインの攻撃を避け続ける。
「どうした?そんなことで俺を倒せるのか?」
挑発スキルを発動しながら、俺はカインを翻弄する。すると徐々にカインが苛立ち始める。
「外れだ。どうした1発ぐらい当ててみろよ」
「この野郎!」
カインが完全に挑発に乗り、MPを無視して攻撃スキルを連続で発動させる。俺はそれを躱しながら逃走し、挑発が切れない様に適度にやりながら時間を稼ぐ。
まだか?まだなのか?俺は必死に待ち続ける。
そのとき、上空にスクリーンが現れる。
「さぁ、このイベントもいよいよクライマックスだ。現在のプレイヤーはカイン、ソラ、マルイチの3人だ!
この中の誰が生き残るのか!さぁ、闘うんだ!」
俺はその放送を聴き、足を止めカインと再び対峙する。
「これで終わりにする!」
カインが剣を振るうが、斬撃はもう飛んで来ない。MPが完全に無くなったということだ。
俺は走り出しカインに接近する。
「このっ!」
カインが慌てて剣を振るい、腹に刺さるが関係ない。
そのまま突き進み右手がカインの体を触れた瞬間、俺はソラに隠していた縛士の唯一の攻撃スキルを発動する。
「絶死の鎖!」
俺の体から鎖が伸び、俺とカインを拘束すると球体状に包み込んでいく。
「何だ!?」
「これは縛士の捕縛スキルを最大のLv10にまで上げると覚えるスキルだ。必ず相手を殺すことが出来るが、これを発動するには面倒な条件が幾つもある。
これを発動したら自分も死ぬんだが、2位に入賞出来たから満足だね」
カインが何かを言おうとしたが、俺達は鎖にあっという間に圧縮され光の破片へと変わった。




