第2話 コノハ2
今回短いです!
明日は1限から授業があるのでお許しを!!
「いってらっしゃい」
朝食を済ませ、いつものように妹が家を出ていくのを見送る。
後ろ姿がいつの間にか見えなくなり、コノハは深いため息をついた。
「さあ、今日も頑張ろう!」
時々思うことがある。
コノハの母親はいったい何者だったのか。
物心ついた時の母はいつもコノハとユルに笑顔を向けてくれた。
働きには出ていなかったから、生活は今と同様苦しかったが、母は辛そうな素振りを一切見せなかった。
まるでこの生活の中に希望があるかのように、毎日を明るく過ごしていた。
母は娼婦ではなかった。
食料調達以外では決して山を降りなかったため、コノハは次第に父親が誰なのか気になり始めた。
母に聞けばいつもはぐらかされ、きちんとした答えは返ってこなかったが、1度だけ、たった1度だけこぼしたことがあった。
『お父さんはね凄く強い剣士だった……。お母さんのすぐそばでいつも、笑ってたの』
その時の母はそれまでとは違う顔をしていた。
一瞬だけ知らない人の顔をしてまたすぐ、いつもの母に戻った。
きっと父は生きていない。
もうこの世にはいない。
母の目はコノハにそう訴えていた。
だからこそコノハは母を責めることができなかった。
自分たちが貧しいのは父がいないせいだと、思いたくなくても思わずにはいられず、でもそれを口にする訳にはいかず……。
いつだってコノハは葛藤していた。
「せめてもう少しだけお金があればな……」
そうこぼすのは何も今日に始まったことじゃない。
一人になればいつもお金のことを考えてしまう。
意地汚くても生きていくためには仕方がなかった。
「ま!考えても仕方がないか!」
頭の中で考えは止まらない。
でも声に出して自分を制御する。
俯いて歩いているのはしょうに合わない。
ふと時計を見れば、コノハも仕事のために家を出なければいけない時間だった。
「やっべ!!」
ほどなくして薄いドアの向こうから足音が聞こえた。
「コノハー!!!準備出来てるかー?」
聞きなれた友人の声。
45分先にあるお隣の家のアランだ。
アランもコノハと共に領主のもとで働いている。
ある意味で戦友的な存在だった。
「ちょっと待ってー!」
アランには普通の人同様、魔力がある。もちろんユル並で一般的には力が弱い部類だが、コノハより15cm高い身長と筋肉質の体で剣を振るわせればユルと互角だ。
コノハと共に働きながら自分で魔法騎士団の入団試験料金を稼いでいる。
コノハの家に毎朝訪れるのはトレーニングの一環だった。
「また考え事してたんだろー!まったくお前は頭でっかちでホントにダメだな〜」
おおらかな性格とフレンドリーさが相まって人柄はとても良い。
コノハと同じ15歳にして、兄のような存在だ。
「ごめんごめん!もう行けるから!」
アランの家はコノハの家と違い両親が健在だ。
とは言っても、元騎士団の父親は昔の戦いで両腕がなく、母親も体が弱い。
領主のもとで働くことで一部家計を支えていた。
「今日は領主様の誕生日だからな〜憂鬱だよ……またどんな命令をされるか……」
「そう言えばそうだったね……夜が遅くなるかもってユルに伝えておくんだったな」
領主は機嫌が良ければその日の給料を弾んでくれる。
逆に何か機嫌を損ねるような事をしてしまえば、一文ももらえない日もあった。
コノハもアランもいつも領主のご機嫌取りに必死なのだ。
「でも誕生日だからこそチャンスだよな!」
「そうだね!!うまくやれば今日は夕飯が食べられるかも!」
このコノハが暮らす国、ローザ王国では一般男児が働きに出れるのは16歳を迎えてからだ。
あと一年……。
どんな嫌なことでも、人間としておかしなことでも、やるしかなかった。
妹と一緒に生きたかった。
さっき明日提出のレポートを書き終えてルンルンである。




