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ロールプレイン・ディス・ワールド  作者: たる。
第三章 無人の町と狼
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「さて、今日から本格的に活動開始……か」

 放課後。志乃は綾音に呼び出されて校舎裏の廃棄場に向かっていた。

(奉仕活動で延々と雑用に使われるよりはずっといいな。……しかし悠月のやつ、廃棄場なんかに何の用だ?)

 色々と疑問はあったものの行けばわかるだろうと思うことにして、廃棄場にたどり着く。昨日〈ゴーレム〉と戦った場所だ。他の三人は先に来ていた。

 ……三人だ。何故か"しっかり三人"揃ってしまっている。

「……天ヶ崎、お前も来てるのか?」

「ええ、来てますよ。……全然話が違うじゃないですか、志乃さん」

「いやまあ活動自体はするだろうけど、無視すりゃいいだろ?」

「寮の部屋まで押しかけて来ました」

「え……」

「そしてこの子を……グンジョウを人質に……それでわたしは抵抗できず……くっ」

「ますます勇者らしくないなあいつ……」

 瑠璃はぬいぐるみを抱きしめて小さく震わせていた。

「……んで、悠月。今日は何する気だ? 脅しかけてまで人を集めて」

「…………部活動らしいわよ」

「"らしい"って、部長はお前だろ?」

 綾音はどういうわけか酷く不機嫌そうだ。むすっと頬を膨らませている。

 千歳は何か聞いているだろうかと訊ねようとしたが、それより先にもう一人の人間がやってきた。

「おー、お前ら全員揃ってるな」

「……あれ、おっさん?」

「おっさんって言うな。よし、全員いるな」

 竹村が来て、部員が全員揃っていることを確認する。綾音とは対照的に何故か酷く上機嫌そうだ。

「……なんか嫌な予感してきた」

「まあそう嫌そうにするな。悠月、話したのか?」

「あんたから話せばいいでしょ」

 冷たく返す綾音。やはり彼女の不機嫌の原因もここにあるらしかった。

「まあ、そうだな。よし、じゃあ聞いてくれ! お前らで校内にある旧式の〈ゴーレム〉を回収してきてほしい!」

「ほら言わんこっちゃない……」

 志乃は思わず目を覆う。

「……天ヶ崎はもう〈支援係〉じゃないし、おっさんが監督するのか?」

「いいや、これは救済措置じゃないからな」

「個人的な『お手伝い』なら昼にやったと思うが? 特定の生徒に集中攻撃ってどうなんだよ、教師として」

「だからこれは"部活動"だ。校内における部活動なら別に顧問が付きっきりで監督する義務はないからな」

「部活動って……。おいおっさん、詭弁も大概に……」

「活動内容は『勇者を目指すこと』とあった。勇者ってのはあれだろ? 人を助け、人のために働くものだろ? なら、こういう奉仕作業は部活動の一環だ」

 志乃の言葉を遮り、竹村が種を明かす。志乃と瑠璃はジトッと綾音を睨む。

「……おい、悠月」

「似非勇者の分際で半端なこと言うからです」

「う、うるさい! あたしだってこんなことに利用されるなんて思わなかったのよ!」

「ま、まあまあ。みんな、喧嘩しちゃだめだよ」

「いいじゃないか、奉仕活動の点数もこれでおまけしといてやるから。……じゃあ任せたぞ。道具はそこの自由に使っていいから。下校時間までによろしくなー」

「あ、おい! おっさ……行っちまった」

 なんということか、これでは何も変わらないどころか、返って状況が悪化している。今後は監督なしでも「部活動」という名目の下、好き勝手に利用されることになるのだ。

「……元はといえば志乃さんがいい加減な考えでわたしを誘うからです」

「あー、早計だったかもなぁ……。あるいはあいつがもっと別の顧問を見つけてくれれば良かったのかもしれん」

「何よ、そんな目で見るんじゃないわよ! あたしだって被害者よ!」

 確かに四人が四人、それぞれ被害者である。

「ほ、ほらみんな! とにかく終わらせちゃおう? 手分けしたらすぐ終わるよ!」

 千歳がなんとか場を和ませようと手を叩く。被害者の会唯一の良心だ。

「あーもう! こうなったらさっさと終わらせてやるわ! あたしと千歳でグラウンドに行くから、あんたたち〈認可生〉コンビは屋内訓練場に行きなさい!」

「うん、わかったよ」

「あ、おい勝手に!」

「こんなヤツと勝手にコンビにしないでくれますか、似非勇者さん」

「こんなヤツってお前な……」

「命令よ! パーティーは勇者の命令に従うものなの! ほら、全員さっさと行きなさーい!!」

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