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(ていうかこいつも〈適応率〉のことレベルって呼ぶのか。ちょっと親近感)
「千歳、あんたの〈シンボル〉はこれ?」
「ふぇ? う、うん。普段は一本しか使わないんだけどね。……危ないから」
「まあ一応は二刀流の〈刀術士〉か」
〈刀術士〉とは刀を用いて戦う〈ロール〉。〈アンコモン〉に区分される。
〈アンコモン〉は五段階あるレアリティ評価の中で下から二番目の位に当たる。それだけでは大した評価は受けられないが、千歳は自らの実力でレベルを高め、レアリティの枠を超えるほどの力を身に着けていた。
そんな優秀な〈ロール〉の持ち主であると紹介すると、綾音は満足げにうなずく。
「よし、採用」
「ふぇ?」
素っ頓狂な声を上げる千歳。何が何だかわからないといった様子だが、仕方ないだろう。志乃も何が何だかわかっていない。
「おい、採用ってお前まさか……」
「さて、これで残りは一人ね。さ、次行くわよ」
「おいこら待て」
意気揚々と歩みだす綾音の腕を引っ掴んだ。
「何よ。早くしないとみんな帰っちゃうわよ?」
「そうじゃない。……採用ってつまり、先輩を部員にするってことか?」
「それ以外に何の意味があるのよ。さ、次次」
「勝手に決めるな!」
歩き出そうとした綾音をぐいっと引き戻す。
「なんでよ。名誉なことでしょ? このあたしの仲間二号として認められるんだから」
「いや全然そんなことないからな」
「いいじゃないの、あんたのお姉さんみたいなものなんでしょ? し・い・く・ん?」
「うるさいわ! お前までその呼び方で呼ぶな!」
「ねえねえ、しーくん。どういうことなのかな?」
「言ってる傍から先輩は! ……はあ、とりあえず説明するから」
志乃は仕方なく、まずはかいつまんで事情を説明した。
「勇者研究部……」
「そう。先輩までわざわざこんなどうしようもない遊びに付き合うことはないって」
「遊びじゃないわ、本気なんだから!」
堂々と胸を張る綾音。志乃は額に手を当てて嘆息した。
「とにかく、この人はやめとけ。部活に入ってない代わりに日ごろから友達の手伝いとかしてて忙しい人なんだ」
「じゃあその手伝いの一環としてあたしの仲間になればいいわ。もちろんあたしの仲間になったからには部活に関係ないところに時間を割くことは認めないけど」
「そんな横暴が認められてたまるか!」
自分勝手な主張を繰り返す綾音を説得しようとしている間、千歳は頬に手を当てて何か考え込んでいるようだった。
「えっと、綾音ちゃん、だよね? 私、入ってもいいよ」
そして唐突に、なんでもないようにそんなことを言い出す。
「は……?」
「よし、決まりね! やった、あと一人!」
「いやいや! い、いいのか先輩?」
「うん。綾音ちゃんはすっごく真剣みたいだし、なにより放課後にしーくんと一緒にいられるみたいだし♪」
「……真剣、か?」
訝しげに綾音を流し見る志乃だったが、綾音は仲間が一人増えたことに舞い上がっているようで聞こえていないようだった。
「ただし!」
千歳は人差し指を立て、腰に手を当てる。
「あんまり危ないこととか、人に迷惑かけるようなことはだめだからね」
「わかってるわ。大体、勇者が人に迷惑なんてかけるわけないじゃない」
「なら今すぐ俺を解放してくれ」
「さ、次の生徒を探しに行くわよ!」
「……聞くわけねえか」
もはや抵抗は無駄だと悟った志乃は、しぶしぶ綾音の後についていくことにした。




