表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エンデヴァー・プロジェクト  作者: 国見 紀行
第八章 空想を力に変えて
PR
39/50

第39話 いざ、全軍突撃!

 エアル・ヴェノス小惑星群のすぐ近くに、ディープ・アドバンス含む地球からの航行船が次々と到着する。

 だが、俺たちの情報を共有したおかげでまだどの艦も上陸には至ってない。


「……仕掛けるなら今しかありませんわ」

「どっから行く? ウチのおすすめは正面突破やで」

「おいおい、行くなら正面からだろ」

「それは作戦ではありませんわ!」


 未だ病室から出られない俺のために集まってくれた大人二人に鋭く突っ込む天間さん。ため息をつきながらも、彼女は続ける。


「そもそも情報が少なすぎますの。巡里くんを助けに入った時のマップデータしか持ち合わせがない以上、むしろ正面以外は悪手ですわ」

「やっぱ正面突破やないか」

「考えた末の結論を皆様の脳筋プレイと一緒にしないでください!」


 でもBATTLE-ARMのプレイングは天間さん一番脳筋なんだよな。


「ミステラ、あの施設の情報はないの?」

『原則非公開施設だし、何より人が入るような設計になってないから、普通の建造物とそもそも違うのよ』


 網膜に先日俺が突入した状況が映し出される。あの時はステラを追いかけるだけで精一杯だったが、確かに誰かがそこを通ったりすることを想定していない作りだなと、言われて今さら感じる。


「外の重力場も弱まってる。マザーブレインの処理がどんどん遅延している証拠だ」

「……巡里氏、体調はどうだ?」


 ジョーさんに言われて腹をさする。奇跡的に内臓はダメージを受けず、筋肉やその他器官も問題ない。傷も完全にふさがったので、動いてもさして問題ない。


「大丈夫です」

「おし、ほんなら予定通りあと1時間後に突撃や」


 八雲ねーちゃんがそう言うと、天間さんを残してみんなは最後の支度をするために部屋を出ていった。


「……天間さん?」

「お礼を言えてなかった、って思いまして」


 彼女は俺のお腹を見ながらそっとベッドに座る。


「いや、お礼なんて! 結局悲惨なことになったんだし…… むしろこっちがお礼言わないと」

「それでも、私を助けようとしてくださったと多くの方に教えていただきましたわ。ありがとうございます」


 天間さんは俺の手を取る。小さくて、しかししっかりと俺の手を握りしめる。……いつまで掴んでるの?


「だ、だいたい俺はそんなに活躍できてないから!」

「巡里くんは自身でご存じですの? あなたはとても努力家であられるということを」

「自分ではあまりそうは思わないけど」


 成績はけして高いほうじゃないし、どちらかというとサボり癖の強いほうだ。ただ、間違いのまま覚えてたりすることが嫌だから復習くらいはする、程度だ。

 というか、彼女の口からそんな言葉が出ること自体、俺の中では想定外なわけで。


「BATTLE-ARMでも自作のPM(プログラムモジュール)を制作したり、躓いた教科の問題も割と早く克服なさってます」

「あ、ああ。そりゃ…… その方が楽しいからだよ。案外学校の勉強ってプログラムに使える所あるし」


 彼女の握力が増す。そろそろ痛いくらいだ。しかし顔はどんどん笑顔に、さらに俺の顔に近づいてきてる。


「もし、巡里くんが嫌でないのなら……私と「ごめん」」


 謎のプレッシャーを感じて会話を遮る。俺が遮ると思ってなかった彼女は、眼鏡の奥にかすかな陰りを生ませてしまう。

 ……それでも、その先を聞いてはいけない気がした。


「……巡里、くん?」

「そろそろ準備しないと。もうすぐ集合時間だし」


 ベッドから起き上がる。もう痛みはほぼない。


「ミステラ、準備だ」

『うん』


 BATTLE-ARMの起動画面が立ち上がる。

 操作方法はさっきも聞いた。起動は初めてだけど、うまくいくだろう。

 なんせ俺のARMは特別性だからな。


「じゃあ、いつものプリセットと装備を……電子記録現実化(メモリアライズ)だ」

『はーい!』


 服の上からゲームでの衣装に置き換わる。装備もいつも使ってるニンジャソードにスモークグレネード。


「いつもながら、かっこいいですわ」


 振り返ると、あの「ロウフォーク」が立っていた。いまだに中身が天間さんだと信じられない。


「口調、普段通りだね」

「隠す必要がありませんもの」

「そういえばあの時まで男だと思ってたけど、なんで隠してるの?」

「……それは」


 どがあああああああああああああああん!!!


 天間さんが理由を言おうとした瞬間、ディープ・アドバンスの外からものすごい轟音と衝撃に襲われた。


「な、なんだ今の!?」

「外でしょうか!?」


 俺達は急いで艦の外へ向かう。


『お、ダークシャドウとロウフォークが来たぞ!』

『おいおい、ようやく面白くなってきたところだ、上位プレイヤーに遅れを取るな!』


 BATTLE-ARMではTire1(最高人気)武器と言われる「ビームランチャー」とそれと対を成す武器「サンダーガトリング」をぶっ放す大量のプレイヤーがエアル・ヴェノスを走り回っていた。


『遅いでみそっち!』

「ちょ、これいったい何が起こってるの?」

『アホやなぁ。誰が「ウチらだけで行く」っちゅーた?』

ここまでお読みいただきありがとうございます。

↓にある☆☆☆☆☆で評価、感想、いいねなどで応援いただけると励みになります。

ぜひよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ