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第7話

「親睦会?」


 夜、家で何をするわけでもなくぼーっとしていた時、ふと桜庭先輩から電話がかかってきた。

 曰く、明日の放課後に茜と楓の親睦会をしたいらしい。


『えぇ、そういえばやっていないなと思いまして』

「確かにそうですね。

 場所どうします?

 部室でやるにしても狭いじゃないですか」

『そうですね……。

 遅くなった時の事も考えると、なるべく学校の近くが良いでしょうし…』


 中々思いつかない様子だ。

 うーーむ、これは…


「…俺の家でやります?」

『え?』


 予想外といった感じで、間の抜けた声が飛んでくる。


「丁度全部の条件を満たしてるんですよ。

 学校から近いですし、広いってわけではないですが一人暮らしなんである程度スペースは余ってますし」

『迷惑でないのなら問題はありませんが……無理しなくても良いんですよ?』


 どうやら気を使ったと思われているようだ。

 まあ半分正解ではあるが。


「自分から言い出した事なんでまあ大丈夫ですよ」

『…お気遣い感謝します。

 では、冴咲さんと一色さんにも連絡をお願いします』

「了解です。

 何か用意しておいた方が良いものってあります?」

『こちらで用意しますので、特にはありません』

「了解しました。

 それじゃあまた明日」

『えぇ、また明日』


 そう言って電話を切った。

 さて、二人にも連絡するか。


―――――――


―仙城高校 教室―


 放課後、俺達は親睦会のために待ち合わせをしていた。


「親睦会楽しみっす!

 先輩の家でやるんすよね?何やるんすか?

 あ、王様ゲームやりましょうよ!」


 楓が忙しなく話しかけてくる。

 相変わらず元気なやつだ。


「何やるかは詳しくは知らないけど…まあレクリエーションとかじゃないか?

 あと、王様ゲームはダメだ。」

「え〜…どうしてっすか?」

「お前のことだから絶対に何か変なことさせるだろ」


 どうやら図星らしく、ギクッとした顔をしている。


「じゃあ人狼やりましょうよ!

 茜ちゃんもそれがいいっすよね?」


 そう言って楓は茜にグイグイと物理的に迫っていく。

 茜はやはり人見知りからか、少し後ずさりしているようだ。


「……人狼?は、よくわかりませんが、私はなんでも大丈夫…です」


 やはり健気だ。

 癒される。


「茜さんはなにかやりたい物とかあります?」

「その……私、アナログゲームとかデジタルゲームをあまりやったことがない、ので…」


 やはり住む世界が違うのを感じる。


「…あ、そろそろ時間ですね。

 行きましょうか」

「あれ?部長待たなくて良いんすか?」


 楓が聞いてくる。


「委員会の用事があるから先に行っててだってさ。

 後で合流するらしい」


 そんなこんなで、俺の家に移動することとなった。


――――――――


―世田谷区 桜上水 中川家―


 無事に桜庭先輩と合流し、学校から歩くこと十数分。

 俺の家の前に着いた。


「…こ、ここが浩一君の家…」


 茜が緊張したような面持ちを見せている。


「まぁ、一人暮らしなんでアパートですが…」

「これが新しい先輩の家っすか。

 こっちに来るのは始めてっすね…!」

「…?

 一色さん、中川くんの実家に行ったことがあるんですか?」


 桜庭先輩が首を傾げて言ってくる。

 そういや言ってなかったか。


「幼馴染なので前はよく互いの家に遊びに行ってたんですよ。

 まあ今は遠いんでその機会はかなり減りましたけど。

 そういえば、本当に何も手伝わなくて大丈夫でした?」

「お気遣いありがとうございます。

 一応ある程度の娯楽や菓子類は持ってきましたから平気だと思いますよ」

「わかりました。

 それじゃあ鍵開けるんで、勝手に入ってってください」


―中川家 室内―


「おじゃましまーす…」

「どうぞー」


 皆、続々と入っていく。

 全員が入ったのを確認し、ドアの鍵を閉めた時、驚いた様な声が聞こえてきた。


「なにもない…!」


 桜庭先輩が驚いた顔で固まっている。


「…一応最低限の家具はありますけど」

「椅子と机しかないじゃないですか!

 普通の男子高校生はもうちょっと物が多いと思うのですが…」


 呆れたような、驚いたような。

 そんな顔をしている。


「相変わらず殺風景な部屋っすね…。

 あれ?ベッドはどこっすか?

 下覗きたかったんすけど」


 楓が部屋を見回している。


「一人暮らし始めてからは敷き布団にしてる」

「えぇー…先輩のエロ本見れるかと思ったのに…」

「お前なぁ…」


 楓の後頭部を引っぱたく。

 茜と桜庭先輩を見てみると、両方顔を赤くして気まずそうにしている。

 あと、茜は緊張して縮こまっている。


「まぁ、飲み物用意するんでとりあえず皆さん座っといてください」


 適当なジュースをコップに注ぎ、4人分を机に置く。


「それじゃ、親睦会を始めましょうか」


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