98・ダイヤモンドの検証①
気を取り直して私達は、ベース三個とホームベースを並べたことによって生じる変化を観察した。
「あかりの方は何か変化はある?」
「ううん、何にも」
「何か投げてみる?」
「ボールはやめておこうか。まずはそうだね」
あかりはかがんで近くの石を拾った。
「これなら被害は出ないはず」
「今までどれだけ被害出したの」
「言わないで」
あかりはアンダースローで、ホームベース側にふわりと石を投げた。石は普通にホームベースの上に落ちる。
「何ともなかったわね」
「そうだね」
私はその石を拾って、あかりに渡そうと前に出た。
「あら?」
手が何かの壁に当たっているようで、先に進まない。
「ひかりちゃん?どうしたの」
「何これ、透明な壁があるみたい」
あかりが外に出た。
「今度はどう?」
「あ、いけるわ」
手がすっと前に出て、石を軽く投げることが出来た。先程あかりがいた場所に、簡単に落ちた。
「少しベースの間をあけてみましょ」
「うん」
先程より50センチほど四方の幅を広げる。
また真ん中にあかりが立った。
「今度は外側から、私が石を投げてみるわ」
「ちょっと待ったー!」
「何、イシダサン」
「そういう危険な実験は、我々がやる!」
「我々がやる!」
イシダサンとイワタサンが顔を見合わす。
「いやいや、あっしが」
「いやいや、俺が」
二人とも片手をあげて、自己アピールを始めた。これ、終わるんかな。
「どっちでもいいけど」
「そういう誰でもいい的な態度は、部下が泣くぜ」
「なんかごめん」
こいつらとの付き合い短いけど、ぐいぐい来るわね。
「ま、いーか。それなら交代でやってね。まずはイシダサンから」
「よしっ!それじゃあ、お嬢、投げるぜ」
「軽く私の足元に投げてみて」
「おう」
イシダサンが先程の小石を軽く投げた。
「ん?」
「石が浮いてる?」
そう、イシダサンが投げた石が、ホームベースの上で宙に浮いているのだ。
その上あたりの空間を触ってみた。
「やっぱり壁があるわ」
やがて石が落下した。衝撃とかは特になく、普通に落ちたって感じね。
「今度は私が中にいる場合、どうなるかね。あかり、一度そこから出てくれる?」
「ん、わかった」
あかりが枠内から出る。交代で私が真ん中に立つ。
「私も投げてみるわね」
先程の小石を軽く投げたけど、ちゃんと外にでる。イシダサンが小石を私の足元に投げてきたけど、それもちゃんと届いた。
「それじゃあ、あかりもこっちに来て」
「わかった」
あかりがこっちに入る。二人でダイヤモンド内にいるという状態ね。
「内部は変化ないわね」
「そうだね」
「それじゃあ、まずはイシダサン、また石を投げてくれる?」
「ういっす」
イシダサンが先程の小石を軽く投げた。
「お、また止まったぜ」
再び小石がホームベースの上で止まった。
また下に落ちるかと思った瞬間、
「うっ!」
小石がイシダサンに戻ったんだけど、速度が上がってた。つまり、イシダサンに向かって、小石が全力投球。
「いてえっ!」
「イシダサン、大丈夫?」
思わず慌てて駆け寄る。
「大丈夫っすよ、痛かったけど」
「攻撃を跳ね返すってこと?」
あかりもこっちにやってきた。
「あと一つ確認することがあるわね」




