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93/98

93・パワーストーンってあったよね

 

 ドジョウ(仮)対策は、光魔法部隊さんがやってくれることになった。闇魔法を探知出来るから、そっちの方向になったらしい。ギャラを考えたら、なかなか簡単に固有スキルは使えないわよねえ。

 

 事情を聞いたリナリアが、テオにめちゃくちゃ謝っていたけど。

 

「お代はパパにおねだりしてね」

 

 って、めっちゃ爽やかに言ってた。いやいや、辺境伯パパンにおねだり出来ませんって。怖い。



*****



 最近、魔物も増えてきて、皆日々必死に戦っている。私じゃ大したことはできないけど、少しでも平和に貢献したいわね。 

 

 というわけで、最近妹のあかりの様子を見ていなかったことに気が付いた。もちろん毎日顔は見ているわよ。でも、勇者の訓練は見ていなくて。聖女様とかドジョウ(仮)やらで忙しかったもんね。

 

 私はみんなの訓練場へ向かった。

 途中で以前カップさんを直してくれた、鍛冶師さんに会った。

 

「こんにちは、先日はお世話になりました」

「おお、カップの人か」

「それ、なんです?」

 

 鍛冶師さんは木箱を抱えていた。そんなに大きくはないけど、けっこう重そう。

 

「これは、玉鋼だ。刀の材料だな」

「へえ、きれいですね」

 

 それを見ていたら、パワーストーンを思い出した。前世で興味を持って、ブレスレットとかも作ったわ。こっちでもそういうの作れたらいいわね。

 んでも異世界のパワーストーンって、ものすごく強そうなイメージあるわね。

 

「よかったらこの小さいの、わけてもらえません?」

 

 箱の中で一番小さな石を指さす。親指と人差し指で作った輪よりも小さいものを。

 

「ああ、このくらいなら、持っていきな」

「ありがとうございます」

 

 ぺこりとお辞儀して、ありがたく頂戴した。

 

 それを持って向かったのは、リナリアの秘密基地近く。途中でルートを変更したのだ。

 

「ここなら、誰も来ないわよね」

 

 私は先ほどの石を、左手の平に乗せた。

 

「メルヘン」

 

 メルヘンサークルが私を包んだ。

 

「さてと、コホン。石さん~、石さん~、お願いがあるのよ~♪」

 

 メルヘンサークルが、私の左手に集中する。すると石が輝いて、私の前に飛んだ。

 

「これは」

「およびですかい?ボス」

 

 石が飛んだ場所あたりから声が聞こえた。凝視するけど、見えない。

 

「多分、さっきの石かなって思うんだけど。ここら、草があるからねえ」

「できれば、アスファルトの上で呼び出してくだせえ」

「うん、こっちの世界にはないし」

 

 石の声が聞こえるけど、見えない。

 そういえばここ、草が足首くらいまであったわ。場所間違えたわね。うん、ごめん。

 

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