87・『4匹の子犬』作戦会議-4
「鶴さん、この子たちは?」
「私のバックコーラスです」
「私達い〜、鶴先輩のバックコーラスですう。今日は、お手伝いに来ました〜♪」
「がんばりまーす♩」
なんか、キャピキャピして、光ってる。これってアイドルとかが持ってる何かかしら。
「そ、それじゃあ、スパイを連れてきてくれる?」
「無理でえーす」
「そうなの?」
「私達、か弱いから、拉致はちょっと」
「それなら、スパイを教えてくれる?その後でドジョウ(仮)を取り出すことにしましょ」
「それならなんとか♩」
私達だけでは不安だから、サムソンさん達も呼んで対応することになった。テオは、妖精さんとこのまま部屋で待機するけど。
「無理しないでね」
「すまん」
外に出ると、鶴さんがまたケーンと叫んだ。こだまが南側から聞こえてきた。
「こっちですわ」
私たちは鶴さん・サギさんチームを追っていく。彼女達はそのまま騎士の寮に入っていった。
「え、ここ?」
「まさか」
サムソンさんの仲間が戸惑っていたけど、そのまま進む。そして、そこの掃除係の1人を捕まえて、
「こいつよ」
と、首根っこを捕まえた。掃除係は戸惑っていたけど、サムソンさん達が彼を取り押さえる。そこをサギ娘達が耳に、
「うおおおおおっ!」
ってやったら、やはりドジョウ(仮)が出てきて、みんな驚いていた。
「そいつを水槽に入れたいけど、流石に水槽持ち歩くのは無理よね」
他にないかしら。
「ドジョウ(仮)を~簡単に~持ち運びたいの~♩」
歌ってみたら、メルヘンサークルからズゴゴゴゴと何かが出てきた。
「透明な袋か?」
みんな不思議そうに見ている。そうよね、こっちの世界にはビニール袋はないし。
そこには、夜店の金魚すくいで貰うビニールの袋が水入で出現していた。とりあえずその中にドジョウ(仮)をうつしてもらう。どうやら、あの水からは抜けられないみたいね。
こうやって、私達はスパイを探しては、問答無用にドジョウ(仮)を取り出していった。
ドジョウ(仮)が抜けた人はみんなその場に倒れてしまって、それを動かすのって結構面倒だよねって途中で気がついた。後々面倒だから、途中からは皆を一ヶ所に集めてから一斉にやったけど。
「思った以上にいたわね、スパイ」
「そういえば、エミは大丈夫だったのか。その、婚約者だったのだろう?」
デレクの疑問もわかる。
「ねえ、鶴さん。私にはいないの、こいつ」
「エミさんは大丈夫ですよ。こいつは、エミさんを恐れていますから」
「そうなの?」
「正確には、私をです。勝てませんからね」
「なるほど」
結局辺境伯領の城内では8人、スパイが見つかった。城下町にもいるようだがキリがなくて、一旦終わらせた。
「ここだけで、これだけの人間がいるとは。まさかと思うが」
ルカスが呟く。
「王都はどうなっているのか」
誰ともなく、王都の方を見た。夕焼けが不穏な気持ちを増幅させていた。




