86・『4匹の子犬』作戦会議-3
「どうする?どうやって調べる?」
「エミ!さっきの怖い人出して!」
「やばいやばい、俺と一緒の被害者大量発生」
テオが部屋の隅でガタガタ震えている。みんな動揺している。私もだけど。
「そそそそそうね、めめめめメルヘン」
慌てて叫んだせいか、メルヘンサークルがふわふわ揺れてた。
「落ち着け私。がんばれ私。こほん。鶴さーん、鶴さーん、助けてほしいのよ〜♪」
なんとか落ち着いて歌ってみる。
「何でしょう」
「ひいっ!」
なぜかルカスの背後に、白い着物姿の女性が立っていた。鶴さんだ。
「もしかして、人を驚かすのが趣味?」
「……正体がバレたからには、ここにはいられません」
「いやいやいや、待って、バレてない、バレてないから、ここにいて」
「そうですか。冷や汗かきました」
「こっちが冷や汗」
なかなか濃い性格の鶴だわ。
「ねえ、鶴さん。あなたが捕まえてくれたドジョウ(仮)なんだけど、ここ辺境伯領に、他にもいるのかしら」
すると、鶴さんがスタスタと歩いて窓際に寄っていく。そして窓を開けると、すうううううっと息を吸った。
「盛大な深呼吸だな」
デレクのつっこみを無視して、鶴さんが固まる。そして、
「ケーーーーーーン!」
全呼吸を吐き出すように、大声で叫んだ。思わず全員で耳を塞いだけど、手遅れね。窓からこだまが聞こえた。
「な、何今の?」
「鶴さん、何したの?」
「こだまが聞こえましたでしょ?これは、敵を感知すると聞こえる仕様ですの」
「ってことは」
「やっぱいるんか。俺同様被害者が」
やはり、まだスパイはいるのね。
「鶴さん、すべてのドジョウ(仮)をとりだせる?」
「私1人では難しいです。意外とか弱いので」
「そうか?」
「ここにいる誰よりも強そうだが」
それ、みんな同じこと思ってる。
「私の仲間を呼んでもよろしいですか」
「もちろんよ」
「それでは、手拍子をお願いします」
音楽が流れたので、みんなで一緒に手拍子をする。
「へいっ、へいっ!」
「ほうっ、ほうっ!」
微妙な掛け声もはじまった。全員不安な表情で合わせて声をかけた。
すると、踊る鶴さんの横に光の輪が出来て、ズゴゴゴといういつもの音と共に、何かが出てきた。
「あら、鶴?」
鳥が5羽飛び出してきた。
「同じ仲間か?」
鶴の様なその姿。でも違う。
「鶴さんじゃないわね」
「「「私達、サギでぇーす♪」」」
可愛い声で、サギがハモった。




