84・『4匹の子犬』作戦会議-1
「んーと。情報を整理しましょう」
なんとなく、私とルカスとデレクで輪になる。テオは放置しておくとして。
「つまり、アッコンチ侯爵は、やはりスヘルデン辺境伯領を狙っているということか」
「そのようだな」
「そう結論付けるのは早すぎない?確かにパトリシア嬢がこちらを探っていたのは確定だけど」
「なら、それ以外に何がある?そもそも、エミを殺そうとした時点でダメだろ?」
「確かに」
そういえば、私、殺されかけたっけ。いろいろありすぎて、忘れてた。
「忘れていたな?」
「バレた?」
2人に盛大に溜息つかれた。ごめん。
「とにかくテオから事情を聞いてみましょ」
「そうだな、そろそろ起こすか」
デレクがテオの頬を軽く叩く。うめき声と共に、テオが目を覚ました。
「あれ、ここどこ?あ、デレク、なんで?」
「わかるか?大丈夫か?」
まだ目の焦点が合っていないようだ。フラフラと体を起こしている。
「やっほー、エミよ」
「お、エミがいる。ということは、ここは天国か」
「死んでないわよ。妖精さんから伝言聞いてるでしょ?」
「そーいや師匠から」
「目覚めたか?弟子よ」
「おう、師匠」
妖精さんがテオの頭に乗った。彼が軽く手を振ると、テオの頭がふわっと光った。
「うー、目覚ましありがとっす、師匠」
「もう大丈夫やな」
「ここはスヘルデン辺境伯領だ。覚えているか?」
ルカスがしゃがんで、テオの目の前で手を振る。
「おう、覚えてないぞ」
「やっぱり」
光魔法部隊のバルトルトと同じね。
「どこまでなら覚えている?」
ルカスの問いに、テオが唸る。
「ガーデン領から脱出しようと準備して。……ああ、そうだ。客が来たんだ」
「客?」
テオの顔が強張る。
「そいつが無理矢理俺に、薬みたいなものを飲まそうとして。でも、それが勝手に動いて俺の耳に……」
ものすごい勢いで、テオが両耳を擦りだした。
「気持ちわるっ!うわっ!えぐっ!」
当時のことを思い出した様で、必死に耳を擦る姿が哀れだ。
「そりゃそうよね。あんなのが入ってて」
「あんなの?見たのか、お前ら」
「それはここに」
水槽を指差すと、テオが悲鳴をあげた。




