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82/88

82・ドジョウ(仮)を尋問します

 

「予想通り、出たわね」

 

 鶴さんの嘴には、例のドジョウ?みたいな生き物が咥えられていた。ぴちぴちして、気持ち悪い。

 テオはソファに倒れ込んでピクピクしていた。

 

「ピクピクとぴちぴち……」

「デレク、気持ち悪いから、言わない」

「ごめん」

 

 伝言妖精さんが、テオの元に飛んで行って、様子を伺っている。

 

「お、抜けとる抜けとる。これで大丈夫ですわ」

「よかったですわ」

 

 テオはもう安心ね。倒れてピクピクしているけど。

 そっちはいいとして、私は鶴さんに聞いてみた。

 

「それで、こいつなんだけど、正体わかる?」

「こいつ嘴使っているから話せませんって」

「そうね。それじゃあ、メルヘン」

 

 メルヘンサークルが鶴さんごと包んでいく。

 

「誰か、こいつの正体を調べてくれないかしら~♪ついでに捕獲してほしいわ~♪」

「適当だな」

「しょうがないじゃな~い♪このスキルよくわからないし~♩」

 

 すると鶴さんの足元近くから、ズゴゴゴゴという音と共に、何かが出てきた。

 

「なんだこれは?」

「すっごく見覚えあるわ」

「ガラスの箱か?」

 

 それは水槽だった。昔金魚を飼ったことがあって、その時のものと同じね。

 水槽を見た鶴さんが蓋を開けて、自分の嘴を突っ込んだ。そのままなぞの生物をそこに放つと、嘴を戻して蓋を閉めた。その途端に、水槽に付いていたモーターが動きだしたんだけど。

 

「電力ないけど、動くんかい」

 

 中には水はもちろん、水草もあった。それならモーター必須ね。

 

「エミさん、こいつのことは、任せてくだせえ」

 

 水槽から声が聞こえた。

 

「あなたは?」

「へい、金魚です」

 

 よく見たら、水槽の中に2匹の金魚がいた。赤い普通のと、黒い出目金。

 

「あらかわいい」

「赤い普通のやつだなとか、金魚すくい用とか、何かの餌用とか言わないでくだせえ」

「思っても言わない」

 

 どき。心読まないで。

 

「で、あなたが監視をしてくれるの?」

「へい、あと、尋問もします」

「すごいな」

 

 デレクも水槽をのぞき込む。金魚もこっちの世界には、いないのかしらね。最近いろいろ出しすぎて、感覚マヒしてきてるけど、別にいいか。

 

「それじゃあ、早速尋問してくれる?」

「へい」

 

 黒い出目金が、謎のドジョウ(仮)に近寄った。

 

「名前は?」

「……」

「お前、なんで人の耳の中にいたんだよ。ああん?」

「……」

「そんなことで、やっていけんのか?かあちゃんが、泣いてるぜ?」

「……」

「かつ丼食うか?」

「カツドンってなんだ?」

 

 デレクのつっこみはさておいて。どうしよう。役に立たない。

 

「エミさん、判明しました」

 

 突如、赤い金魚が点滅した。ジャジャーンって効果音も鳴った。

 

「こいつは、スキルです。人を操ることができるもので、持ち主は『パトリシア・アッコンチ』であると」

「衝撃的内容だけど、その前に言わせて。出目金ちゃんの役目って何?」

 

「演出です」

 

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