80・『4匹の子犬』が集合しました
テオを連れて、ルカスの仕事部屋に行く。私とルカス、デレク、テオの、久しぶり『4匹の子犬』の集合だわ。
「久しぶりねえ。冒険者チーム集合だわ」
「懐かしいな、みんな元気そうでよかった」
テオが笑顔でソファに腰を下ろした。私はマジックバッグから茶葉を取り出して、お茶の支度をはじめた。ルカスもテオの対面のソファに座った。
「それで、エミ。どうなんだ?」
笑顔でルカスが尋ねる。
「そうねえ。お茶は後がいいかしら」
「そうか」
デレクがテオの背後に立つ。私は横に立ってテオを見た。
「何?俺なんかした?」
驚いて、テオは私達を見回す。
「メルヘン」
メルヘンサークルが私達を包み込んだ。
「妖精さん。ちょっと来てほしいのよ〜♬」
「何、歌ってんの?こんなときに?」
「テオは、妖精さんとは会っているけど、私がスキルを使っているところを見るのは初めてよね〜♬これが私の固有スキルなのよ〜♪」
「お前も一緒に歌ってみろ〜♬」
デレクもノリノリで参加してくれて、嬉しいわね。ルカスは、目を逸らしていたけど、
「仕方ない〜、私も参加するか〜♬」
手拍子しながら歌ってきた。
「何これ、宴会?」
「みんなが思ってること、言わないで〜♫」
先日の飲みくらべを思い出したのか、ルカスが遠い目をしていた。
そんなこと歌っていたら、
「お待たせ〜、今日も楽しい時給制〜♫」
毎度お馴染み時給制妖精と、そのお友達がやってきた。
「おお、テオかあ〜♫」
「そおなのよ〜♫ところで感想は〜?」
妖精さんは、テオの頭の上をくるくる回った。他の妖精さんも一緒に舞う。
「テオ〜、まだまだ修行が足りないのう〜♫」
「どういうこと?」
「こんにちは」
いつの間にか、着物を着た、黒髪の女性が、私の横に立っていた。清楚な日本女性っぽいけど、
「なななぜ、白い着物?」
怖い。
腰までの長い美しい髪。だけど顔に髪がかかっていて、赤い唇しか見えなかった。
そんな女性がすーっとテオのほうへ動いた。
「ひいいっ!な、なにこの人、歩いていないよね、浮いてる?」
思わずデレクも後方から逃げた。ルカスも私の背後へと走る。だけどテオは硬直して動けずにいた。
「こんにちは、テオさん」
「はははははい」
女性が、がしっとテオの顔を両手で掴んだ。
「や、やめて、怖い、離して!」
テオも逃げようとするけど、ものすごい力で押さえつけられて動けないようだ。彼女がテオの頭を横に向けた。
「まさか、それって」
「あれか」
「アレって何?」
「大丈夫、すぐに終わる」
「痛くないから」
「日記読まれるよりマシだろ?」
「何それ〜!!!」
女性の顔が、鶴に変わった。
「うおおおおおおお!」
テオの叫び声が響き渡った。




