↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
71/86

71・ルカス、辺境伯に願う

 

 勝手に決闘?らしきことをしたので、辺境伯様から少し怒られた。私じゃなくて、聖女様が。

 

「まったく、聖人らしくないというか」

「拳のほうがよく語るというじゃない?」

「その綺麗な顔が傷つかなくてよかったな」

「そんなのすぐに治せるから問題ないわよ」

「便利だな、それ」

 

 辺境伯様、マジで羨ましそう。

 

 部屋には辺境伯様、ルカス、デレク、聖女様と私がいる。あかりはリナリアに連れて行ってもらった。あの子には、このメンツは濃すぎる。

 

 全員でお茶を飲んでいるけど、辺境伯様だけビールだ。ジョッキで。やってらんねー感を全身で表現している。

 

「それで、仲良くなったのか?」

「まあ、多分?」

「そこそこで頼むぞ」

「うふふ」

 

 聖女の弟が微妙な顔してて、切ない。お兄ちゃんが、いろいろといろいろで。

 

「エミさん、ごめんなさいね。あなたのことは、認めるわ。とりあえず?」

「はあ」

「兄上、エミは信頼できます。私を信じてください」

「んもー、わかってるわよ。これからはケンカ売ったりしないから」

 

 そう言って、ルカスに抱きつく。私を話しのネタにじゃれているように見えるんだけど。ネタの為にケンカ売られてもな。

 

「あの、丁度いい機会なので、叔父上にお願いがあります」

 

 兄をぺいっと投げ捨てて、ルカスが辺境伯様の方を向いた。

 

「私の剣の師匠である、サラがこちらで療養しているはず。母には止められていますが、会わせていただけませんでしょうか」

 

 辺境伯様に頭をさげる。共にいたデレクも同様に頭を下げるから、私も急いで合わせた。

 

「妹から話は聞いている。会ってどうする?」

「兄上に、もう一度診てもらうつもりです」

「うん?どういうことだ?」

「彼女が毒を盛られて倒れた直後、神殿で診てもらっていますが、後遺症が残った。しかし兄上にもう一度診てもらって症状が回復すればと」

 

 辺境伯は、何か考えているのか、頭を軽く横に振った。

 

「ああ、そういうことか」

 

 ぼそりと呟き「待っていろと」と、部屋を出て行った。

 

「何、今の」

「なんか、話が噛み合っていなかったわよね」

 

 私と聖女様が顔を見合わせる。

 

「それで、聖女様」

「その呼び方嫌いなのよね。あんたもフランソワって呼んでもいいわよ」

 

 顔を背けてぶっきらぼうに話す聖女様。なんか嫌いになれない人だな。

 

「それでは、フランソワ様」

「何よ」

「その服の下に見えるシャツなんですけど、いい柄ですね」

「「今、それか?」」

 

 ルカスとデレクがハモった。

 

「そうでしょ?可愛いのよ、これ」

「もう少しよく見せてもらっていいですか。うわ、この花柄きれい〜」

「でしょでしょ?わざと色と輪郭の線をずらしてあるのよ」

「この淡い感じがまたなんとも」

 

 意外と趣味があいそう。

 

「最近辺境で新しい手芸を始めたのですが、今度見てもらえます?」

「手芸ですって?どんな感じなの?」

 

 私達がきゃいきゃい話していると、辺境伯様が部屋に戻ってきた。一人の女性をつれて。

 

「お久しぶりです、メインデルト様」

 

 彼女がサラか。騎士服を身にまとった40歳くらいの女性がやってきた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。