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69/81

69・予想通りの結末でした

 

 みなさん、こんにちは。エミです。

 今私は、黄昏ています。何故かと言うと、私の仲間のキムラサンと聖女様が戦い、その結果予想通り、二人に友情が生まれたからです。

 

「右フック、さすがね」

「いやいや、聖女殿のキックは最高ですな」

 

 なんか、互いの技を褒め合って、盛り上がっている。私はボッチでそれを見ているとこ。

 なんかさ、疎外感というか。戦えないから、仕方ないんだけどね。寂しいなあああ。

 今夜はたぬきち、離さないぞ。

 

☆☆

 

 たぬきち「なんか、怖い……」

 

☆☆

 

「一体何をやっている……」

「あら、ルカス」

 

 そこには、ルカスとデレク、そして上空にはリナリアがいた。

 

「二人でこっちに行くのが見えたから、援軍を呼んできたのよ。大丈夫?」

「私は無事だけど、あっちは友情エンドみたいよ」

「なんだそれは」

 

 デレクが首を傾げた。

 

 みんなの前には、ゼーゼーと息も絶え絶えな聖女様と木が、手を取り合って互いの技を褒めちぎるという、謎の絵面があった。

 私の出る幕、まったくなし。

 

「兄上、そいつは強かったですか?」

「あら、可愛い弟ちゃん。お姉様の強いところを見たかったらしら」

「いえ、お気持ちだけで結構です」

「つれないわね。あーあ、疲れた」

 

 そう言うと、聖女様がその場に横になった。キムラサンも、倒れ込んでいる。

 

「キムラサン、一応聞くけど、元気?」

「大丈夫っすー。おーい、バックダンサー♪」

「「「へーい♪」」」

 

 キムラサンのバックダンサーである、その他の木がやってきて、キムラサンをえっほいえっほい運んでいった。

 

「あれもあなたのスキルなの?」

「多分……」

 

 だって、知らない間に増えていたし。

 

 ルカスが聖女様のそばに行って、膝をついた。

 

「聖魔法だけでなく、戦うことも出来るのですね。でも、兄上らしい」

「あら、それはどういう意味?」

「幼い頃から私を守ってくださった、あの頃のあなたでした」

「こんなに姿が変わっても?」

「正直に言えば、驚きました。ですが、その個性全てがあなたなのだと。私の大好きな、優しい兄上そのままです」

「やあねえ、兄を泣かせてどうするのよ」

 

 聖女様が両手で目元を覆う。でも口元は笑顔のままだ。

 ルカスはその場に座り、兄と並ぶ。

 

「大好きですよ。昔からずっと」

 

 少し泣き声も聞こえたが、誰も何も言わなかった。

 

 


「ねえ、ひかりちゃん、そっちにいるのー?」

「あかり?」

 

 遠くからあかりの声が聞こえた。複数人の走る音も聞こえてくる。

 

 その途端、聖女が一瞬で立ち上がった。途中で頭が弟の顎に当たって、二人とも悶絶していたが。

 

「何を急に立ち上がって……」

「うるさい」

 

 聖女は一瞬で服の乱れと髪、メイク全ての身だしなみを整えた。すごい。その技、教えてほしい。

 

「あ、いた。ひかりちゃん、大丈夫?」

 

 あかりと、お付きの騎士達がやってきた。

 

「ええ、大丈夫よ。どうかした?」

「なんか揉めてるって聞こえたから来たんだけど」

「これは、勇者様。何も問題ありませんよ。我々は、マブダチです」

 

 胡散臭いキラキラ笑顔で、聖女様があかりを迎えた。

 なにこれ。

 

「聖女様、光ってる?」

「無駄な聖魔法の使い方だな」

「それで私の顎をなおしてくれ」

 

 顎を押さえながら、フラフラとルカスも立ち上がった。

 聖女様はあかりの手を取り、まったく何もありませーんって顔で誤魔化している。

 

「聖女様が私のこと、ものすごく疑っていたのって、そういうこと?」

「聖女様にも春がきたのね。うふふ」

 

 リナリアが口元に手を当てて笑っている。ルカスも苦笑いだ。

 

「やはり、兄上は兄上だ」

「好きな人の周りを牽制しまくるタイプなのね」

 

 そこにはあかりに、いつもの口先だけではない、純粋な笑顔で話す聖女様の姿があった。さりげなく自分の頭に右手を当てながらではあるが(こっそり聖魔法で治してた)。

 

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