表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
55/81

55・我は、たぬきち

内容の都合でかなり短いです。すみません。


(たぬきち視点)


 我は、名前がない。

 いつも、どの時代に生まれても。

 ただ、奴らは我を『魔王』と呼んだ。

 

 我は通常、眠っている。

 だが、何かが我を揺り起こす。

 我はそれに従い、目覚めるだけ。

 そして、我のするべきことを、なしとげるだけ。

 

 此度もふと、目覚めた我は、辺りを見回した。

 森の中。

 目線が低い。

 氷魔法で鏡を作り出して、自分の姿を映し出す。

 そこにいたのは、見たことのない動物だった。四つん這いで、全体に茶色の毛に覆われた生き物。目の周りが黒い。

 

「ふむ、悪くはない」

 

 うむ。

 

「なかなか良いな」


 こっくり、頷く。

 

 そのまま森で過ごしていたら、これまた見知らぬ生き物に保護された。


 木が歩いていた。

 我も長年生きているが、初めて見る生き物だった。

 魔物のトレントはもちろん知っている。だが、木が歩いて歌って、踊っているのだ。

 魔王もびっくりである。

 

 そいつが自らの材木で、箱を作って我を収めた。

 その箱を自分の枝と葉の中に隠したのだ。人間で言えば、頭の中か。

 全く意味がわからなかった。

 

 だが、奴の主人という者が我を保護した時、木が行った意味に気がついた。

 奴は我を保護したのではない。主人を守ろうとしたのだと。

 

 木の主人は、我が可愛いと言った。

 可愛いに弱いのだと。


 そうか、『可愛い』は、技なのか。


 我は可愛いと思われるポーズをきめてみた。

 奴が倒れた。

 

 ほほう。これは使える。


 今まで何度も勇者や他の人間と戦ってきた。

 だが、今までの苦労がなんだったのかと思うほど、あっさり倒すことができた。


 素晴らしい。

 我はこの可愛い技で、戦っていこう。

 大丈夫、我は強い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ