52・キムラサンの秘密発見
「え……」
「キムラサンとの契約、打ち切るわよ」
「え、エミ、ホント?」
リナリアも驚いている。
「そうよ、キムラサンは私を信頼してないから、教えてくれないんでしょ?それならこうするしかないじゃない」
「ちょ、ちょっとエミ」
リナリアが私の腕を掴んで扉の方へ連れて行く。そして耳元でこそっと囁く。
「本気なの?」
「訳ないでしょ?脅しよ脅し」
「そうよね、エミのこと大好きなキムラサンが、そんなこと言われたら泣くわよきっと」
「そうよね、ごめんちゃいくらい言うわよね。というか、言った私が泣きそうなんだから」
「ズッ友だもんね」
2人でそっとキムラサンの様子を伺う。
こちらからは後ろ姿のキムラサンが、震えているのが見えた。葛藤しているのだろうか。
「一言言っておくわね。私にはね、メルヘン魔法を使った責任ってものがあるの。私の魔法で出現するしたキムラサンが勝手に何かしたら、その責任は私にあるのよ」
「せきにん……」
「そう。だからこそ、キムラサンが隠していることを知りたいのよ。早く言いなさいよ。怒らないから」
「……ホントに怒らない?」
「ホントホント」
「わかった……」
キムラサンがこちらを向いた。
そして徐に自分の頭部分に腕木を突っ込んだ。ちなみにキムラサンの頭部は、枝木と緑の葉っぱに丸く覆われている。見た目は、アフロヘア。
「そこに入っているんかい」
「なんかいろいろありそう」
そこからキムラサンは、小さな木箱を出した。
「この箱も自家製……」
よく見ると、箱には隙間が多くあった。家の壁や、看板はとても丁寧に作られていて、隙間などなかったのに。
「どうして隙間なんか……」
隙間を覗いた途端、中の何かと目があった。
「え、まさか」
箱を受け取って、隙間をもう一度見た。
「こ、これ」
上の蓋部分の隙間からも見て、確信する。
「キムラサン、ペット飼い始めたの?」
「ええっ?ペット?」
キムラサンがこくっと頷く。
「飼っていい?」
「やだーっ、いいに決まってるじゃないっ!なんで黙っているのよー!」
「いいんかい」
リナリアのツッコミはスルーする。
「動物大好きなのよ。なのに、エミール時代は飼えなくて。乗馬でしか触れ合えなかったのよねえ。これは、何かしら?」
開けると逃げてしまうかもしれないから、蓋を外して中を確認するのはためらった。再度隙間を覗く。
「見たことない動物で、森にひとりでいたから連れてきたんす。可哀想で」
「木に同情されるとは、なかなか渋いわね」
「リナリア、お城に連れて行ってもいい?」
「正直に言って、ダメね」
「「はううう」」
私とキムラサンが泣いた。
「それなら、ここで飼ってもいいかしら」
「まあ、ここなら大丈夫だと思うわよ。かなり離れているし」
「「ありがとう!」」
キムラサンとハグして喜ぶ。ついでに歌って踊った。
「うん、床も屋根もなくてよかった。踊るのに邪魔そうだもんね」
リナリアが1人納得していた。
「でも、屋根は欲しいわよね。ペットが風邪ひいたら困るし。それに逃げないかしら」
「我なら、大丈夫ぞ」




