表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
13/16

13・木が変身しました

「ねえ、逃げた人達、武器持って帰ってきたらどうしよう」

 

 リナが物騒なことを言い出した。

 

「え、何で?」

「だって、山から見知らぬ変質者が降りてきたら、普通は戦うんじゃないの?」

「そんな普通は知らないけど」

 

 流石、辺境伯家ご令嬢か。変質者代表のキムラサンを見る。

 

「どう見ても木のコスプレ」

「この世界では、コスプレはメジャーじゃないから」

「そうなのよね、いっそのことキムラサンが、完全な人間体に擬態してくれたらいいんだけど」

 

 すると、キムラサンがおずおずと手を挙げた。

 

「はい、キムラサン」

「先生、私は先生のイメージで変形してます。なので、これは先生のせいです」

「あらま」

 

 センスないからな。これは困った。ないものはない。イメージも浮かばない。

 

「たとえばなんだけど、リナリアがイメージしたキャラに変身できたりする?」

「はあっ?」

 

 人はこれを丸投げ方式と呼ぶ。

 

「多分できるとは思うけど」

 

 キムラサン、なんか気乗りしてない様子ね。

 

「どうしたの?」

「せっかくマスターが作ってくれた姿なのに、そこのお姉さんのイメージなんて」

「なんか、悪かったわね。まだやってないけど、悪かったわね」

「とりあえず、仮の姿ってことで。キムラサンも人に後ろ指刺されたくないっしょ。それに、私をマスターと呼ぶなら私に苦労させたくないでしょ」

「そーですね。んじゃ仕方ない。そこのお姉さん、お願いしやす」

 

 キムラサンがリナリアに頭を下げた。

 

「どうやるのよ。私はこれでも木との対話なんて初めてなんだからね」

「普通はそうだって」

 

 とりあえずやってみるか。

 

「メルヘン」

 

 メルヘンサークルが私達を包む。

 

「キムラサン、リナがイメージする、イケメンに変身〜♫」

「ぐぬぬぬぬ」


 リナがうなりつつ、キムラサンの方へ頭を向ける。これ、電波を送っているイメージなんかな。よしよし、このまま受信したまえ。

 

「なんか、キタキタ来たよ〜♫」


 キムラサンが淡く光を放つ。メルヘンサークルがキムラサンに集中する。

 やがて、光の中から、イケメンが出てきた。あれ、なんか見たことある。

 

「これ、なんかのゲームに出てた…」

「私が前世で好きだった、乙女ゲームのキャラですわ」

「ああそれで」

 

 そこには、短めに整えた黒髪と、鋭い目つき黒い瞳、背は高く、細身だけど筋肉は隠してあります的な、冒険者風な男が立っていた。

 

「これって、クールだけど、好きになったら、俺だけのお前、離さないぜ的な病んでデレなキャラっぽい匂いがするわね」

「流石ね、アミーゴ」

「いいわねー、流石ね、リナちゃん、サイコー」

「ふっ、いい仕事をしたわ」

 

 お互いを褒めあっていたが、キムラサンは浮かない表情だ。

 

「なによ、なんか文句あんの?」

 

 リナリアが噛みつく。

 

「誰もいない時は、元に戻ってもいい?」

 

 イケメンがしょぼんとしている。しょうがない、あとでね。

 

 だって、リナリアの予想通り、村人ずが、大量に武器持って走ってきたから。

 やっぱここ、忍びの村じゃね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ