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127/130

127・アッコンチ侯爵邸にて-②

 

「ほう、よう見つけたな」

「少し遠いな」

「行ってみましょ」

「そろそろ自分でも動けるであろ?」

「そうですね、大分体の状態がわかってきました」

 

 そう言うと、ルカスがその場でジャンプする。勢いのまま、天井を抜けていった。

 

「おお、さすがだな」

「俺達もやってみよう」

「えいっ!」

 

 みんなで上に飛んだ。天井を抜けて、二階の廊下に出る。

 

「デレク、この階か?」

「いや、もう少し上だ」

 

 デレクが先導する。二階の廊下にも人気はなく、堂々と移動した。

 三階に行ったら、廊下に人がいて、思わず床に沈んで隠れた。

 

「そういえば隠れる必要なかった」

「つい、隠れちゃうわよね」

 

 そのまま人が通り過ぎるのを床から見ていた。

 その人物はお盆を持って奥の部屋に入っていった。部屋の前には椅子があって、別の男が座っている。

 

「あれは、見張りか?」

「多分」

 

 部屋から先程の男が手ぶらで出てきた。お盆ごと置いてきたのか。

 彼は見張りらしき男と、楽しそうに話して帰っていった。残った見張りは暇そうに、椅子を扉の前に戻して座り直した。

 

「入ってみましょ」

 

 私達は床から浮上して、そのまま堂々と見張りの前を通った。恐らく男ごと通りぬけられるんだろうけど、それは嫌だからやめて横の壁から侵入する。

 

「こいつは」

 

 薄暗い部屋だった。それでも広い部屋で、家具はそれなりにいいものだ。奥にバストイレ完備ってとこね。ベッドが端にあって、その横にソファセット。

 そのソファに座って食事をとっているのは、年老いた男だった。

 

「エミ、彼は」

「ええ。アッコンチ侯爵本人よ」

 

 私の将来のパパの予定だった人ね。

 

「なんか、やつれたわね。以前はもっと圧があったというか、うるさいというか、野心の塊というか」

「どんな人物だったかは、なんとなくわかった」

「それが閉じ込められているということか。エミの元婚約者の姿はないな」

「そうね。それにあと息子が二人いるわ」

 

 彼らもどこに行ったのかしら。

 

 アッコンチ侯爵は、淡々と食事を続けていた。

 こんなところに閉じ込められているのに、やつれている様子はない。暴れた様子もなし。まるで閉じ込められていることを、受け入れているような。

 まさか。

 

「アッコンチ侯爵の中にも、ニョロが入っていたりして?」

 

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