122・反省会かな
結局ミサイルは一発で終わった。
侵入していた奴らは、結局逃げた後だった。
猪と鶴サギ部隊も急いだけど、間に合わなかった。全員非常に悔しそうだった。
鶴さんとサギさんずが怖い会話をしていたけど。
「これから反省会を行います」
「えー、それ残業代出ますう?」
「ネイルの予約があるんで」
「待たんかいコラ」
とりあえず、帰れ、お前ら。
狼さんや猪&スライムも、
「また来ますわー、よろしくー」
って、手を振りながら地面の黒い穴に消えていった。
たぬきちによろしくねって言ったら、笑っていたな、みんな。
今回のことで、敵の手の内が少し見えたし、結界も上手くいった。領民の皆さんもちゃんと避難出来た。
間に合わなかった騎士団さん達が、ストレスでそこらの木に八つ当たりして、被害が出たけど。
「今回の功績は大きいと思う。次回への自信になるからな」
「そうね。訓練だったと思っておきましょ」
私もテオの意見に賛成だわ。
私達は今、ルカスの執務室で、二人で昼食をとっている。
あれから二日ほど経ったけど、まだ厳戒態勢のまま。なので交代でご飯を食べているのよね。
「多分また来るよな」
「そうね、でも前回アッコンチが来た場所は警戒しているのよね」
前回侵入された場所に、騎士団を常駐させることになった。近くに村もあるから、そこを基地拠点にしたらしい。あそこの村人なら、助けてくれるだろうし。というか、あいつらだけでよくね?
「エミの家来もなんかしているんだろ?」
「そうなの、前回出番がなかったことを、悔やんでいるらしくて」
キムラサン・イシダサン・イワタサンの三サントリオは、前回出番がなかった。
まあ、あかりの結界がいい仕事したのと、ミサイルを溶かしてくれたスライムさん達のおかげよね。
あとは、アッコンチの逃げ足が早すぎるってことか。
とりあえず、三サントリオで、コソコソやってる。余興の練習か。ま、いいけど。
そうそう、敵の逃げ足が早いということで、思いついたことがある。
「もしかして、相手も無線とか使っているのかしら」
「なんだそれ」
お茶を飲みながらテオが尋ねる。
「うーんと、妖精さんの力で、遠くの人と連絡取る方法があるでしょ。あれって、あっちの世界にも似たような便利な道具が売ってて、誰でも使えるのよ」
「それはいいな。こっちでも作れないかな」
「テオなら出来るんじゃないの。マジックバッグのほうが難しいわよ」
「そういうものか?」
「マジックバッグは次元を使う魔法でしょ。通話のアイテムも、距離という次元を省略するわけだから、そういう考えなら出来るんじゃないの」
「なるほど」
その時思ったのが、糸電話。これの糸をマジックバッグに入れて、本体だけ出して使ったらつながるのかしら。
でもそれって同じ空間を別のバッグで共有するっていうことよね。
それが出来るなら、流通が崩壊するわよね。こっちの町でAのバッグに荷物を入れて、別の村のBのバッグで取り出すと。
……怖いから提案するの、やめとこ。
「やっぱ、忘れて」
「そうか?」
まあ、いいか。
「とりあえず相手は通信手段を持っていると、考えたほうがいいわよね。それも、この辺境伯領の中で」
「どうしてそう思う?」
部屋にルカスとデレクが入ってきた。
「扉閉めておけよ。聞こえたぞ」
「ごめん、この部屋暑かったから」
デレクが扉を閉めた。
「それで、どうしてスパイがいると思う?」
「城内の例のニョロは全部捕まえたわよね。それでも情報は漏れていた。勇者の結界の話が出たのは、ニョロを持ったスパイを全部捕まえた後よ」
「そうだな。そうなると、自ら侵入したスパイがいることになる」
「俺や光魔法部隊の人の時みたいに、勝手にスパイにされた奴ら以外ってことか」
ルカスとデレクにもお茶を出した。二人も喉を潤して、テーブルにあったパンを食べ始めた。
「まずいな……」
「え、おいしいわよ」
「そっちじゃない」
「何、古典的なネタを」
全員に突っ込まれた。




