121・お局様 VS 新入社員?
サギさん達は、顔は鳥のままだけど、体は人間と同じだった。前回は全身が鳥のままだったけど、今回は機動性重視かしら。鶴さんは今回も着物なんだけどね。
「なんだ、その変わった服は」
「そうね、植物や土の色の服なの。これなら森の中にいても分かりにくいでしょ」
「なるほど」
冒険者でも同じような色の服を着ている人がいるわね。でも彼女達のは、明らかにあっちの世界の服よね。
「サギちゃんず。わかっているわね」
「「「はい、ボス!」」」
鶴さんの一声に、サギさん達が整列する。あら、さっきより声のトーンが低い?
「我々は、プロである!」
「「「アイドルの前にサギだ!」」」
「敵は己れ自身だ!」
「「「やられる前にやる!」」」
「意味がわからん」
鶴さんとサギさん達が拳を振り上げて吠えている。
「で、どうするの?」
「とりま、エミさん、あっちに行ってきますわ」
「「「我々にお任せあれ」」」
「あ、ちょっと待って。うちも加勢しますわー」
その声に振り向くと、狼さんも拳を突き上げていた。
「え、狼さんも行ってくれるの?」
「いえ、別のチームが行くことになっていましてー。おーい」
「ほーい」
また地面から声が聞こえてきた。
狼さんの足元に出来た黒い丸から飛び出してきたのは、
「よろしくっす」
猪だった。それも10頭ほど。ゆるキャラっぽいディフォルメで、安心したわ。
「こいつらも力になりますー。一緒に連れて行ってくださいー」
「もちのろんですう。よろしくね」
鶴さんが応える前に、サギさんがウキウキ返事を返していた。
「んじゃ行きましょ。背中に乗ってくれっす」
「素敵な広い背中。かっこいい〜」
「サギちゃん、私達の翼も早いわよ。別に乗らなくても……」
「鶴せんぱあい、乗らないんですかああ」
あ、鶴さん、なんかスイッチ入った。
「乗りますー、別に乗らないなんて言ってないしー」
「ですよねー、うふふ」
「後でバックヤードにいらっしゃい」
「せんぱあい、こわーい」
サギさん、鶴さんへの挑発、ぱないな。
「何これ……」
「なんかドラマで見たことある~。会社のお局様と後輩の……」
リナリア、なんかうれしそうなんだけど。こういうドラマ、好きだったのかしら。
結局、なんかよくわからんドラマを作りながら、彼らは旅立っていった。
「……あ、ルカス、一応あっちに連絡してくれる?」
「そうだな。猪に乗った鳥がそっちに行くけど、味方だって言えばいいよな」
「……それ、絶対信じてくれないよね」
全員脱力して座り込んだ。




