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118/131

118・あかりのステータス本、再び

 

 まずは現状の把握から。

 今のところミサイルは一発のみ。恐らく敵はこちらの様子を伺っている。

 相手としたら、ミサイルで破壊された辺境伯領に、悠然と入り込んで侵略する手筈だったのだろう。

 だけどミサイルは破壊されている。

 

「そうなると、そろそろ二発目が来てもおかしくないわね」

 

 私は狼さんとスライム達の方に向かった。

 彼らは辺境伯様達が来てから、少し私達から離れた。彼らなりに気を使ったのかもしれない。

 

「ねえ、また攻撃が来るかもしれないけど、大丈夫?」

「いやー、お気を使わせてしまい申し訳ございません。我ら、元気だけが取り柄ですからー」

「「「げんきげんきー」」」

 

 確かに元気そう。うん。

 

「そうだわ、狼さんのお名前は?」

「そんなのないですー」

「私の魔法がかかってないけど、話せるのね。あと、なんかゆるキャラっぽいその姿……」

「そこは、魔王様がなんとかしてくれましたー。可愛くしないと勝てぬと」

「ひかりちゃんのせいか……」

「なんで私が悪いことになってんのよ、あかり」

 

 ゆるキャラっぽいからあんまり怖くないし。そうじゃなかったら、敵だと思って攻撃していたかも。

 

「あかりも大丈夫?結界で魔力使っているでしょ?」

「そうなんだけどね。なんか大丈夫かな?」

「一応、ステータスも確認しておいたら?」

「そうだね。って、ひかりちゃん?」

「メルヘン」

 

 メルヘン魔法であかりを包んだ。

 

「お願い~、あかりのステータスを見せて~♪」

「ぷぷぷプライバシーに配慮して~♪」

 

 必死に歌に合わせてきたわね、あかり。

 

 ズゴゴゴと音がして、地面からノートがせりあがってきた。表紙には『あかりのステータス』って、くっそダサい字で書いてある。

 

「そっちバージョンか」

「可愛いバージョンはやめたのかな」

「邪悪バージョンも可愛いバージョンも、内容は変化なかったもんね」

 

 以前出したステータス本は、プライバシー配慮しすぎてほとんど読めなかったけど、今回はどうしても知りたいことがある。

 

「あかり、今回はちゃんと見せてもらうわよ。私が知りたいのは、あかりの魔力量。こんなに大きな結界を作っているんだから、心配するのは当然でしょ?」

「うん、わかった。でも、まずは私が先に読むんだからね」

「わかったわかった」

 

 怪しさ満載のステータス本をひったくるように奪うと、あかりは三メートル程離れて本を開いた。

 

「あ……」

「大丈夫?」

 

 あかりが困惑した表情で、こっちに戻ってきた。

 

「見て」

「うわあ、相変わらずプライバシー優先ね」

 

 ステータス本は、黒塗りばっかりだったけど、ようやく読めそうなところを見つけた。

 

「『あかりの魔力量:めっちゃ多い』。アバウトの極みね」

「その下読んだ?」

 

 何?その下って。

 そこを見て、私も目が点になった。

 

「『なお、足りない場合は、ひかりちゃんから自動摂取確定。ツケはききます』って」

 

 え。

 

「ツツツツケがきくなら、大丈夫ね」

「そそそそうだね」

 

 私の固有スキルは、元々魔力とツケで動いている。ツケの部分は、手芸の特許料で賄うことになっているけど。

 まあ、楽しい手芸をやれば世界が守れるなら、それはそれでいいか。

 

「手芸、がんばりますか」

「がんばれ、ひかりちゃん」

 

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