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117/129

117・ドヤオーラ・スライムです

 

「ひかりちゃん、ミサイルってこれだけかな。また飛んでくる可能性あるよね」

 

 あかりが空を指さしながら、ぼそっと怖いことを言ってきた。

 

「そうなのよね。考えたくないけど、可能性はあるわよね」

「右に同じ」

 

 私とリナリアが頷く。

 

 我々三人から、デレク達がそっと離れたのは、なぜ?

 

「おい、どうなっている!」

 

 大声に振り向くと、辺境伯様達がこちらに走ってくるのが見えた。

 

「今、敵の攻撃が来ました。勇者あかり殿の結界のおかげで、アレですが」

 

 ルカスも指をさして報告をする。示しているのは、ミサイルがあった場所じゃなくって、そこから降りてきてドヤオーラを放つ、スライム達と狼さんだけど。

 

「え、魔物?」

「落ち着け、エヴラール」

 

 今にも剣を取り出しそうなエヴラール様を制して、辺境伯様が前に出た。

 

「どういうことだ」

「魔王が、彼らを派遣してくれました。彼らのおかげで、火魔法の大きいやつが破壊されました」

 

 爆弾とかミサイルって単語が使えないのが歯がゆいけど、仕方ないわね。異世界の言葉というか、向こうにしかないものって、こちらの世界では言葉にならないみたいだし。

 

「お父様、お兄様。今ほどのものは、異世界の武器です。かなり強力な火魔法が降ってきたと思ってください」

「なんだと?」

「そんなものをどうやって」

「もしかして、異世界の武器を召喚する固有スキルってことか?」

 

 デレクの推理に全員が息を呑んだ。そんなスキルで次々とミサイルを撃たれたら、どうなることか。

 

「そーですー。魔王さまもそうおっしゃっておりましたねえー」

 

 私達の会話に、狼さんも加わってきた。

 

「……どちらさま?」

 

 エヴラール様、キャパ超えたかな。敬語になってる。

 

「どもー、魔王・たぬきち様からのご紹介で参りました。狼でっす」

「「「スライムでっす」」」

 

 魔物さん達が、ぺこりとお辞儀する。

 

「彼らが異世界の武器を溶かしてくれたんです」

「おお、ありがたい。本当に感謝する」

 

 辺境伯様も頭を下げた。ついてきていた他の騎士さん達も。

 

「お礼はまだ先ですー。これから敵がやってきますー」

「それって、アッコンチ侯爵領からね」

「エミ様、ナイスう~」

 

 親指突き出して、グウ~ってされてもな。

 

「例の武器が爆発して壊滅した後の、辺境伯領を奪うという寸法か」

「叔父上、指示を」

「わかった。まずは避難の確認。それからアッコンチの方角を中心に警備の強化だ。リナリア」

「わかったわ、上から知らせる」

「頼んだぞ」

 

 リナリアがそのまま上空に飛んだ。片手には受話器を持ったままで。

 

 ルカスが自身の固有スキルで、皆に指示を送りはじめた。

 

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