116・ドローン?いいえ、スライムです
「それで、スライムさんは、どうやってあれを破壊するの?」
「ベタですけど、包んで溶かしますー」
「べ、ベタね」
確かにそれが一番よね。でも。
「大丈夫?怪我しないでね」
しゃがんでスライムさん達に近づく。すると、スライムさん達がクスクス笑いながら、皆で輪になって話始めた。
「ほら」
「魔王様の言ったとおり」
「うん」
「やさしい」
「エミ様、やさしい」
「ぼくたち見ても、怒らない」
「心配してもらっちゃった」
「うふふ」
なんだか照れるわ。
「みんな、たぬきちのお友達でしょ?それなら私のお友達でもあるわよね」
「そうなの?」
「それなら、エミも友達」
「みんないっしょ」
きゅきゅー言いながら、スライム達が輪になったまま、互いに手(?)を伸ばして密着する。そしてそのまま横に回転しはじめた。最初ゆっくりだったけど、段々速度が上がっていった。
「え、大丈夫?」
「「「うん、行ってくる!」」」
スライム達は回転しながらそのまま上昇しはじめた。そして、私の前で止まる。
「ホバリング?」
「ドローン?」
「「「飛ぶよー」」」
我々のツッコミを無視して、ドローンスライムは、ミサイルに向かって飛んでいった。
ドローンスライムはミサイルの先端に到着すると、そのまま伸びてミサイルを包んでいった。
「思ったより伸びるのね」
「すっぽり覆っちゃったわね」
「で、このまま溶かすの?」
「みたいね」
そう言っている間にも、ミサイルの大きさがどんどん小さくなっていくのが見てとれた。
「なあ、そもそもあれってなんだ?」
今更だけど、あれを見ていたテオが聞いてきた。
「そういえば言ってなかったわね。あれは『ミサイル』、まあ『爆弾』が飛んできたってところね」
「なんだそれは、うまく聞き取れない?」
「そっか、それもダメか。火魔法の大きいやつが、空を飛んでやってきたのよ」
「それって、どれくらいの破壊力なんだ?」
デレクもミサイルから目を離さないまま、聞いてくる。
「そうねえ、あの大きさだから」
「あれが落ちていたら、恐らくお城と城下町は、消えていたわね」
「だよね」
「「「はあ?」」」
私とリナリアとあかりがうんうん納得していたら、テオ達が後ずさっていた。
「そんなものの下で、まったり話していたわけ?」
「そうは言ってもねえ。スライムさんたち頑張ってくれてるし」
「そうよ、それにもう終わりそうじゃない?」
リナリアが指さす方を見上げると、スライムさん達が再び輪になって降りてくるところだった。
「「「終わったよ~♪」」」
「ありがと~。お疲れ様、怪我してない?」
「「「ううん、ダイジョブー」」」
スライムさんに駆け寄ると、後ろであかりの声が聞こえた。
「メルヘンって、サイコー」
だよね。私もそう思う。




