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114/130

114・飛来するもの - 2

 

 あかりの元に走る途中で、頭の中に声が響いた。

 

『私は第四王子メインデルトである。これは私の固有スキルで、君達辺境伯領の全ての人に伝えている。これから敵が来る。皆、訓練で決めた場所に避難するのだ。これから領土全てに結界を張る。領土から出ると戻ることが出来なくなる。絶対に領土から出てはいけない。速やかに行動してくれ!』

 

 ルカス、辺境伯領の全ての人に伝えるって、かなり負荷がかかるとは思うけど、がんばってくれた。

 私も急がないと。

 

「あかり!」

「ひかりちゃん!」

 

 いつもの訓練場所に行く前に、あかりを見つけることが出来た。

 

「敵が来るって、どういうこと?」

「あかりもこの音、わかるでしょ?」

「音って、この飛行機みたいな……うそでしょ、こっちに飛行機なんてあるわけない」

「そう、それ以外の飛行物体といったら」

「まさか、ミサイル?」

 

 こっくり頷く。

 あかりが怯えた表情を浮かべて、私の腕にしがみついた。思わず私も妹を抱きしめた。

 

「あかりの固有スキルのダイヤモンドは、伝言妖精さん達が届けてくれているはず。だから、結界が機能するはずなのよ。でもそれを動かすのはあかりの魔力だと思うの」

「うん。そうだね」

 

 あかりが少し震えているのがわかる。それでも真剣な眼差しで私に頷いてみせた。

 

「広範囲だから、かなり魔力消費するかもしれない。でも、無理はしないで」

「ひかりちゃん、言ってること無茶苦茶だよ」

「わかってる、でも」

「エミ!見えた!」

 

 片手に持っていた受話器から、リナリアの叫び声が響いた。

 

「わかった!リナリア、ルカスにも伝えて!」

「わかったわ!」

 

 少しして、ルカスから全員に指示が届く。

 

『全員耳と目を塞げ!地面に伏せろ!』

 

 少しして、轟音と衝撃が……。

 

 

 来なかった。

 

「あれ?」

「どうなった?」

「ひかりちゃん、あれ」

 

 あかりの指差す方向を全員で見る。

 

 我々の頭上に、ミサイルがぶら下がっていた。

 

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