↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
113/131

113・飛来するもの - 1

 

 その日は快晴だった。雲一つない青い空がどこまでも広がる。

 いつもの一日がはじまる。そのはずだった。

 

 

「あら、リナリア、おはよう」

「おはよう、エミ。今日も洗濯室?」

 

 洗濯室に向かう途中で、リナリアを見かけて声をかけた。

 

「そうよ。リナリアこそ、今日は遅くない?また偵察でしょ?」

「そうよ。でも光魔法部隊からの報告で、城下町のスパイらしい人が複数見つかったらしいの」

「そうなの?」

「だから、そっちの話を先に聞こうかと……」

「何?」

 

 何か音が聞こえた。キーンという、どこかで聞いたような音。遠くから響くその音は。

 

「何、この音」

「ねえ、これ、前世で聞いた音だわ」

 

 二人で顔を見合わせた。

 

「「飛行機?」」

 

 リナリアがすぐに上に飛んだ。

 

「双子妖精さんっ!」

「おはよう、エミ……って、どうしたの?怖い顔だよ」

「ごめんね、急いでリナリアと話をさせてくれる?」

「「わかった!」」

 

 双子妖精は頷くと、一人がリナリアの元へ飛んだ。

 私の横から受話器が現れて、それを掴む。

 

「リナリア、何か見える?」

「ううん、何も見えない。でも、あれは飛行機の音よね?」

「飛行機と断言はできない。でも、何かの飛行する音よ」

 

 私も周りを見回す。

 慌てている私の姿を見て、側に誰かが走ってくるのが視野に入った。テオだ。

 

「エミ、どうかしたのか?」

「テオ!お願い、ルカス達を呼んできて!何かこっちに来るのかもしれない」

「……わかった。すぐに呼んでくる」

 

 真剣に頷いて、テオが走る姿が見えた。お願い、間違いだといいけど。

 

「エミ!見えた!」

 

 受話器からリナリアの悲鳴に近い声が響いた。

 

「何が飛んでくるの?」

「あれは、うそ、まさかそんな……」

 

 轟音が近づいてくる。

 

「飛行機じゃないなら、まさか」

「エミ、みんなに逃げてって伝えて!」

「どっちに向かっているの?」

「こっちにくる!」

 

 間に合わない。

 

「伝言妖精さん!」

「なんや、急に……」

「お願い、例のやつよ。辺境伯領全てに結界を張って!」

「わかった!」

 

 以前あかりからベース三個とホームベースは預かっている。それはすでにカンガルー四姉妹のお腹に入っているのだ。

 

「エミ、何があった!」

「どうした!」

 

 ルカスとデレクが走ってこっちにやってきた。後ろにテオもいる。

 

「恐らく敵が来る。それも強力な武器だわ。だからこれからあかりの固有スキルで結界を張る。全部守れるかわからないけど」

 

 ルカスが息を呑む。

 

「わかった。私の固有スキルを使う」

 

 ルカスが大きく息を吸い込んだ。

 

『叔父上、敵襲です。指示をお願いします』

 

 ルカスの固有スキルは『指示』。味方全員にどの場所に居ても、指示を送ることが出来るのだ。

 

『わかった、今どこにいる?』

『宿舎から出たあたりです。これから中央に向かいます。それと、エミが、勇者の結界のスキルを使うと報告がありました。一般市民の避難も指示します』

『頼む』

 

 ルカスが辺境伯とのコンタクトを終えた。

 

「よし、次に、避難指示を行う」

「ええ。私はあかりのところに向かうわ。あの子のスキルが発動することを教えないと」

「わかった」

 

 すでに伝言妖精さんはここにはいない。今頃カンガルー四姉妹が動いているはず。

 

「間に合って!」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。