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106/130

106・困った時の伝言妖精さん

 

「とりあえず以心伝心作戦は失敗と」

「待って」

「チャンスをクレメンス」

「根性論でなんとか」

「無理じゃね?」

 

 カンガルー四姉妹が食い下がってくる。中には諦めている子もいるけど。

 

「ふっふっふ。そろそろわいらの出番か?」

「その声は」

 

 私の背後から、なんか声が聞こえてきた。誰かわかっているけど一応聞こうかしら。

 

「助けてー、妖精マーン!」

「もう名前言っちゃってるわよ」

 

 リナリアのツッコミをスルーして、私の背後から伝言妖精さんが出てきた。しっかり待機していたわね。

 

「やっぱ、わいらの仕事ですかな」

「テオには申し訳ないけど、そのようね」

「時給は弟子から貰うから安心してちょ」

 

 小さな光の玉を顔の下から充ててドヤるの好きよね、妖精さん。

 とりあえず、

 

「全員せいれーつ!」

 

 私の掛け声で全員一列になって、テオがいる方向を向く。

 

「「「テオ、ごめんね~」」」

「まいど~♪」

  

 これで謝ったから、許してもらえるよね。うん。

 

 

☆

 

 

「あれ?」

「テオ、どうかしたのか?」

「いや、なんか悪寒が……」

 

  

☆

 

 

「それでカンガルー四姉妹と私の、合計五ヶ所で同時に会話ってできるのかしら」

「ぶっちゃけ楽勝でっせ」

「どうやって?」

「元々わいらは空間移動できますもん。大変なことが起きたときにエミさんが指示してくれれば、わいらは四ヶ所に飛んで、そこに待機しているカンガルー姉さんたちに伝言すればいいだけですもん。その後で四姉妹が指定の場所にそいつを置けばいいだけでっせ」

「もっと早く伝言妖精さんに聞けばよかった」

 

 全員崩れ落ちた。

 

 まあ、とにかくこれでなんとかなるわね。

 

「後は設置場所を決めないとね。正確に測量って、これだけ広範囲だと、どうやってやればいいのかしら」

「それも不要でっせ」

「そうなの?」

「わしら空間魔法のプロや。伝言届けるんだから、場所の把握なんておちゃのこや」

 

 おお、伝言妖精さん、後光がさしてる。ってか、普通に全身光ってる。よく見たら、仲間が背後に光の玉を持って隠れてた。背景担当か。

 

「そうや。いいこと思いついた!」

 

 伝言妖精さんが、ちいちゃい手をポンと叩く。可愛いな。

 

「辺境伯領全部を守るための四ヶ所、そこにカンガルー姉さん達を同時に転移させたる。そこにベースとかいうやつを置けば完成や」

「「「伝言妖精、バンザーイ!!」」」

 

 全員で妖精さん達を胴上げした。余ったメンツは踊ってた。

 

 よし、これでなんとかなる。

 

 

 理由はわからないけど、何か起きるような予感がする。

 とても悲しくて、辛くて。

 行かないで。お願い、ずっと側にいて。

 

 誰のことかわからないけど。

 

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