104・問題解決はカンガルーさんにおまかせ
「なんでカンガルーが?」
「そっちが呼んだんでしょ!」
「そうだったわ。あなたが私達を助けてくれるのね」
「そうよ!だから、その石頭をどかしてちょうだい!」
「俺、石じゃなくて、岩なんだけど」
「いいから!」
「イワタサン、ごめん、ちょっとどいてくれる?」
渋々といった態度でイワタサンが少し下がったところに、カンガルーが飛び出してきた。
そっか、そうやって飛び出してポーズを決めたかったのね。でもそこに岩があったのね。なんかごめんなさいね。
「大丈夫?」
「んもー、テンション下げ下げ〜」
「とりあえず歌って踊っておく?テンション戻るかもしれないし」
「うーん」
カンガルーがぐるっとメンツを見る。
「このメンツじゃあね」
「そーね」
何故かリナリアが納得している。キムラサンは泣いてるけどいいか。
「んで、カンガルーさん、教えて欲しいことがあるんだけど」
私はあかりの固有スキルでつくるダイヤモンドのこと、それでつくる結界の話をした。
「いざという時にささっと設置して、防御したいのよ。だけど、設置するタイミングが問題なのよね」
「設置しちゃうと、結界内に誰も入れなくなるんだっけ」
「そうなの。それに、どうせ結界をつくるなら、辺境伯領全部を包みたいのよね」
「エミ……。ありがと」
リナリアがふんわり笑った。喜んでくれてうれしいけど、正直問題は多い。
「まだ問題は山積みなのよ。それにそこまで範囲を広げて、あかりがどれだけそれを維持できるかとか、いろいろ考えなきゃいけないんだけどね」
私達の話を聞いていたカンガルーが、じーっと私を見ているのに気がついた。
「何?なんかいいアイデアあるのかしら?」
「いや、単純な話なんですけどね」
「単純?」
カンガルーがしゃがみ込んで、地面に指で四角を描いた。上手ね。
「四隅にベースとやらを置いて結界を作るんでしょ?でも、4箇所に常時置いてしまうと、結界の力のせいで外から人が入れなくなるから、有事の時だけ結界を起動したいと」
「カンガルー、賢い」
「すごい」
「驚くのはこれからよ」
カンガルーがドヤってる。
「んで、どうするのだ?」
イシダサンの問いに、カンガルーが更にドヤった。
「元々三箇所に設置しておいて、有事の時に最後の一個を置けばいいだけじゃない」
「「「おおっ!」」」
「そっか、そうすれば結界を早く作れるわね。別に同時に全部置く必要もないし」
「それぞれのベースを、常時警備する人は必要だけどね」
「後は四か所と連絡を取れるようにすればいいわけね」
「5つ子妖精っているのかしら」
なんとか先が見えてきたわね。よかったわ。
「いや、でもそれダメじゃないっすか?」
まさかのキムラサンのダメ出しだった。
「なんでよ?」
「だって、このダイヤモンド、形が崩れていても結界が動いてしまうじゃないっすか?有事に四つ目をあかり様が出した途端に結界が働いてしまうし。それに最後の一個をどうやって急いで端まで持って行くんです?近くならいいけど、マスターが結界で守りたい場所は、かなり広いんでしょ?」
あ、そうだった!
「ダメじゃん!」




