103・丸投げソングを歌いました
昨日たぬきちと、何か話した気がする。
「だけど、何も覚えていないわ。珍しいわね」
何かとても大切な話をしたと思うんだけど、まったく思い出せないわ。
「夜にでも聞いてみればいいわね」
まずは、あかりのダイヤモンドについて、思いついたことがあるからやってみないと。
私は今日もあかりがいる、訓練場に向かった。
「あかり、いる?」
「お、ひかりちゃん。どったの?」
「ダイヤモンドについて思いついたことがあって……あら、フランソワ様。おはようございます」
「……おはようございます」
あら、タイミング悪かったようね。
「また後で来るわね」
「なんで?大丈夫だけど」
あかりよ、空気を読め。
フランソワ様の『早よどっかいけや』オーラに気がつけ……るわけないか。
「忘れ物したから、またねー」
仕方ない、出直そう。
私はリナリアの秘密基地に向かった。ここでなら実験してもいいよね。
「メルヘン」
メルヘンサークルが私を包んだ。
「うーんと。まあ、なんとかなるかしら」
「何やってんの?」
「あら、リナリア。どったの?」
「エミを尾行しているキムラサンと、あと見知らぬ2人が見えたから、尾行してたの」
「いつの間に」
私の後ろにキムラサン・イシダサン・イワタサンの三サントリオが立っていた。なんかポーズつくってドヤ顔している。
何気にキムラサンもチームに入れてもらえたのね。良かったわね。
「なんか楽しそうだったから」
「なんか踊りそうだったから」
「なんか知らんけど」
それぞれ言い訳して準備体操をはじめた。いや、これから歌うけどさ。一緒に踊ろうとか誘ってないけどさ。
「これは尾行するしかないでしょ」
リナリア、楽しそうだな。
「ま、いーか。改めて、メルヘン」
再びメルヘンサークルが現れて、今度は私達全員を包んだ。
「お願いがあるのよ〜♪あかりのダイヤモンドを、簡単に設置する方法を知りたいのよ〜♪」
「それって、丸投げじゃね?」
「仕方ないじゃなーい?思いつかないんだもーん♪」
「「「仕方ないじゃーん♪」」」
三サントリオがバックコーラスに入った。ついでに華麗にステップ踏んでるわね。石・岩コンビも何気にうまいな。
すると、私の前の地面が光出した。
「何か出てくるのかしら」
だけど光が消えて、今度は地面に小さな黒い丸が出来た。
それが次第にじわじわと大きくなっていく。
「結構大きな丸ね」
「なんか、音しません?」
黒丸に、イワタサンが耳を近づけた。その途端、
「ひゃっほーい!ぐはっ!」
何かが黒丸から飛び出してきて、イワタサンの頭に激突した。
「イワタサンの頭に直撃なんて」
「一応聞くけどイワタサンって、元は岩だったりするの?」
「当たり」
「んじゃもう1人は?」
「イシダサン」
「石か」
「当たり」
「いや、それより、私の頭の心配してよおおおお!」
「「あ、忘れてた」」
私とリナリアのボケとツッコミに突っ込んできたのは、
「カンガルー?」
頭を抱えて泣いているカンガルーだった。イワタサンがいまだに黒丸の上に頭を突き出してるせいで、頭しか見えてないけど。




