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第97戒 決着

 その領域はまるで拷問部屋のようだった。周りの景色は青く、黒い星が光っている。


 中にある道具は全て拷問器具だ。鞭や長い木の棒、3角木馬などあらゆるものがそこにある。陽炎はその部屋で不敵な笑みを浮かべた。


「この空間は俺達の力を底上げする。さぁ、始めようか。最終決戦を」


 陽炎はそう言って駆け出した。そのすぐ後にディリーが植物を生やす。どうやらこの空間でも植物を生やすことは出来るらしい。


 陽炎はディリーが生やした植物を足場にランダムな動きで駆け巡る。そして、すぐに春の背後をとった。


「無駄よ!”シャインファイ……」


「”ブラックマリン”」


 春が魔法を発動しようとした瞬間、テムが魔法で黒い水を放ちびしょ濡れにした。そのおかげで春の魔法を封じることが出来る。


 陽炎はそれを見てニヤリと笑うとヴェルトラウムを構えた。


「残念だったな。”炎流えんりゅう灼壊凱王双頭龍しゃっかいがいおうそうとうりゅう飛翔ひしょう”」


 炎を纏った刃が春を襲う。しかし、全て避けられる。それどころか、何故か自分の腕に傷が出来た。


 よく見ると糸が飛んできてる。どうやらシュレイルが遠くから攻撃してきているらしい。このままでは一方的にやられてしまいそうなので、陽炎は1度距離をとった。


 それを見たフェルルとファルルが暗記を飛ばす。だが、やはりシュレイルには通用しない。透明な壁に拒まれてしまう。


「……お前ら、とりあえず時間を稼いでくれ。そして、アイツらの魔力をじゃんじゃん使わせろ」


「なにか作戦があるの?」


「まぁな」


 陽炎はそう言って不敵な笑みを浮かべる。他の皆はそれを見て確信したのか頼もしい笑顔を見せる。そして、陽炎は再び駆けだした。


 その刹那、ギルシアが魔法を放つ。


「”超次元波動砲ちょうじげんはどうほう”」


 その魔法は高密度に圧縮された魔力を放つというシンプルなものだった。しかし、ギルシアの魔力には時空間魔法の属性が付与されている。そのため、この砲撃は次元すらも歪めてしまうものになったのだ。


 そして、その砲撃をもろに食らったシュレイルは右腕を歪められる。そして、虚空に吸い込まれそうになる。何とか逃げ出そうとして離れようとすると右腕だけ離れられない。そして、遂にシュレイルは右腕を引きちぎり離れた。


「ぐぁぁぁぁぁ!……クッ……!」


「ハハッ!苦しそうな顔だな!だが、本番はここからだ!”風流ふうりゅう瞬旋風しゅんせんぷう”」


 陽炎はアロンダイトを構え駆け出す。すると、突然つむじ風が発生し、陽炎の体が消える。そして、春の背後に突如として現れ切りつけた。


 春は突如現れた陽炎に対応できない。何とか避けようとするが、避けきれずに右腕を切り裂かれてしまう。


 その時、突然春の右腕目掛けて炎の矢が飛んできた。


「っ!?あぁぁぁぁぁぁぁ!」


 春の悲痛な叫び声が聞こえる。


「ナイスだ!テム!」


 陽炎はそう叫んでその場から少し離れる。テムはドヤ顔でこっちを見ていた。


 そう、さっきの炎の矢はテムが放ったものだ。陽炎が春の腕を切り裂いたと同時に、再生が遅くなるように焼いたのだ。


「テム!あれをやる!5属性だ!」


「分かったわ!”ブレイズキャノン””アクアトルネード””ウインドストーム””ロックキャノン””サンダーバード”」


 テムは陽炎の言葉を聞いて魔法を陽炎に向かって放ち始めた。


「よし。”陰流いんりゅう三十六式・黒星こくせいまとい”」


 陽炎はそう言ってヴェルトラウムでテムの放った魔法を全て巻きとった。すると、5属性の魔法は絶妙なバランスで混ざり合い別の属性の魔法になる。


 陽炎はそれを見てさらに剣に魔力を流した。すると、陰流で発動した黒い星達がさらに強く光を放つ。陽炎はそれを見て不敵な笑みを浮かべると、春に向かって振り下ろした。


 その刹那、黒い光の斬撃が剣から放たれる。そして、その斬撃は奥にいたシュレイルも襲った。


「っ!?」


 陽炎の放った斬撃は春とシュレイル、そして空間さえも切り裂いた。その刹那、春とシュレイルの体に黒い闇が纏わりつく。


「っ!?なにこれ……!?」


「かげくん!そろそろ限界だよ!今が決め時!」


 ルーシャがそう言ってきた。その目には魔力を見る目が映し出されている。


 陽炎はルーシャの話を聞いて武器を構えた。そして、今陽炎がストックしているキューブを全て解放する。すると、中から大量の魔法が出てきた。


「今ある中で最強の技だ。”最終剣術さいしゅうけんじゅつ陰陽流おんみょうりゅう零式ぜろしきはじまりの一閃いっせん”」


 陽炎は剣を1度さやに収めると、一瞬にも満たない速度で抜刀をした。陽炎の剣から白い斬撃が放たれる。その瞬間、陽炎の作りだした領域に雷のような電流が迸った。


 そして、キューブから開放された魔法が突然荒れ狂い始め爆発していく。その光景はまさに地獄のようだ。


「お前ら!俺から離れるな!」


 そんな中陽炎はそう叫んだ。すると、テム達が全員陽炎の周りに集まる。陽炎はそれを見て不敵な笑みを浮かべると、手を突き出し言った。


「お前らに執行者からプレゼントだ。”死刑デスペナルティ”」


 陽炎画像唱えた瞬間春とシュレイルの目の前にそれぞれ黒い玉が1つずつ現れた。それは、突如としてとてつもない吸引力で何もかもを吸い込み始め、消し去ろうとする。陽炎達はそれを見ながら領域から出た。すると、その2秒後に領域ごと春とシュレイルが吸い込まれる。


 そして、遂に最後の戦いは終わった。


「……終わった……」


「やったぁ!勝った!」


「私達の勝利!」


 皆はそう言って喜ぶ。陽炎はその光景を見て微笑んだ。


 しかし、まだ終わりでは無い。障害を消し去っただけであり、まだ世界は平和に出来ていない。


「まだ最後の仕上げが出来てないぞ」


 陽炎はそう言うと、魔王城のてっぺんまで昇った。そして、手を天にかざし呪文を唱える。


「”世界を変えろ。そして、平和な未来を作れ””世界革命せかいかくめい”」


 陽炎がそう唱えた瞬間世界は変わった。

読んでいただきありがとうございます。

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