表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
74/98

第74戒 テムの秘密

「・・・あのね、私・・・エルフの国出身なんだ・・・」


「っ!?」


 テムの口から出た言葉は驚きのことだった。だが、テムの言うことは少し矛盾がある。


「そんなはずはないだろ。少なくとも耳の形が違う。お前は耳が人間じゃねぇか。でも、この子の耳は尖っているぞ」


 そう、エルフの女の子の耳は漫画やアニメでよくあるような感じに尖っている。しかし、テムの耳は尖っていない。陽炎の耳と同じ形だ。


「それは・・・実は私は・・・」


「っ!?」


 カチャリ、という音がなったのと同時に陽炎の背中に剣のようなものを押し付けられた。ギリギリ切れないところで止めている。脅しのようだ


「テム様から離れろ!」


「は?え、テム様?何言って・・・っ!?」


 気がつけば陽炎は首筋に剣のようなものを押し当てられていた。


「何のつもりだ?」


「テム様から離れろ!」


 ちょっと腹が立った。さっきから話が通じない。どうやら人の話を聞かないタイプ・・・まさに光の勇者のようなやつだった。声はそこまで大きくないが・・・


「人の話を聞け。それに、テム様とは何だ?なぜ俺を狙う?」


 陽炎は聞いた。それに対して、エルフの女の子は口を開いた。


「この人をなんと心得る!この方はエルフ族をまとめあげる長の娘、テム・フルメタ・エルファン様本人ですぞ!」


「そんなことはどうでもいい。お前はなぜ俺を殺そうとする?」


 陽炎がエルフの女の子の話を聞かずに質問した。すると、かなり激怒して剣のようなものを構える。


「いい加減にしろよ」


 陽炎はどうにかなだめようとするも無理そうだった。エルフの女の子は静止も聞かずに攻撃してくる。


「魔王!覚悟!”我世界と契約し風を宿す・・・エアリティカット”」


「ふざけるなよ。ここ人の家の中だぞ、壊すなよ。”封印術式立方体(キューブ)”」


「きゃあっ!」


 女の子は攻撃してきた。陽炎はとっさに女の子にキューブを使い、女の子ごと封印した。キューブはクルクル回ると地面に落ちる。陽炎はキューブに近づき手に取った。そして、外に向かう。


「どこ行くの?」


「このキューブを破壊する。フェルル、武器を1つ貸してくれ」


「ちょっと待って!殺さないであげて!本当はその子はいい子なの・・・」


「信じられんんな。それに、例えいい子でも殺しに来たやつだぞ」


 陽炎はそう言って武器を受け取る。それを見たテムは陽炎の前に急いで行き頭を下げる。


「お願い!本当に殺さないで!」


「え?いや、あ〜・・・そこまで言うなら仕方がないなぁ」


 陽炎はあっさり殺すのをやめた。武器をフェルルに返すとキューブをもう一度手に取る。そして、キューブを開けようとしたところで止められた。と、言うよりなんか勘違いされた。


「やめてぇ!お願いします!大事な人なんです!」


 そう言ってテムは頭を下げる。正座をして額を地面につける。いわゆる土下座というものを行う。


「いや、だから殺さないって言ってるだろ」


「お願いします!お願いします!」


(話が通じねぇ〜・・・)


 テムはずっと土下座をしてお願いする。涙を流しながら懇願する。陽炎は殺さないと言うが、何故かテムには聞こえない。そして、遂に陽炎の額に青筋ができる音がなった。


「なぁテム・・・」


「ふぇ?」


「いい加減にしやがれ!」


 陽炎の声がその辺一帯に響き渡った。


 ━━それから少し時間が経って、陽炎はテムを慰めていた。


「ぐすん・・・ぐすん・・・うわぁぁぁん!」


「泣き止んでくれよ、俺が悪かったからさ」


 しかし、テムは泣き止まない。それどころか更に泣いてしまう。陽炎は助けを求めて4人を見る。しかし、4人は何故か怒っている。


「陽炎くん!今のは陽炎くんが悪いよ!」


「なんでだよ!?」


「元はと言えば、かげくんがキューブを壊そうとするからじゃん」


「うっ・・・」


『自業自得よ。今すぐ謝った方が良いよ』


「だからなんでだよ!?」


 陽炎はそうやってツッコむ。しかし、4人は怒った目で見てくる。陽炎は少し言い返してやろうと思ったが、4人の圧力が凄く、言い返せるような雰囲気じゃなくなったため諦めて謝ることにした。


「わかったよ。テム、ごめんね俺が悪かったから泣くのやめよ」


 そう言うと、少し泣き止んだ。そして、目に涙を浮かべながら陽炎に抱きついてきた。そのせいで陽炎は後ろに倒れる。陽炎達はテムが馬乗りする格好で倒れ込んだ。


「ハハハッ!」


「うふふ♪」


 2人は見つめ合うと笑いだした。それを見ていたディリー達も笑い出す。


「やっと機嫌が治ったか。早く封印をとくぞ。離れてくれ」


「んっ!」


 テムは返事をするとその場から離れる。そして陽炎は、キューブを取り出した。


「ねぇ、なんで外でやるの?中でもいいんじゃない?」


「中がどうなってるか分からないからな。もしかしたら時間が止まっているかもしれない」


 そう言うと、ディリーは頷く。そして、陽炎はキューブを手に取ると力いっぱい投げた。キューブは空中で回転を始め全面がそろうと弾け飛ぶように開いた。辺りが光に包まれる。光が収まると人影が見えてきた。


「お前達、気をつけろよ」


 陽炎がそういうと、全員気を引き締めた。そして、人影の姿が全部見えてくる。


「っ!?」


 全員が驚いた。


「ひぐっ!うぐっ!ううぇぇぇぇん!」


 なんとそこには両手両膝を着いて大粒の涙を流しながら泣き叫ぶエルフの女の子の姿があった。


「こ、この子ってさっきの・・・」


 陽炎も、驚きすぎて声が出ない。テムもその様子を見て呆然としている。その時、突如エルフの女の子がこちらを向いた。どうやら外に出てこれたことに気がついたようだ。


「よくもやってくれたわね・・・死んで!”我世界と契約し風を宿す・・・ウインドソード”」


「いきなりかよ・・・”アルテマソードウエポン”」


 2人の剣がぶつかり甲高い音が鳴る。そして、陽炎とエルフの女の子は同時に弾き飛ばされる。


「甘いわ!”我世界と契約し風を宿す・・・ウインドブレス”」


 エルフの女の子は風の力で跳ね返り距離を詰めてきた。本気で殺そうとする目だ。陽炎とエルフの女の子の目が合う。かけは1度テム立ちを見て不敵な笑みを作った。


 ガキンッ!


 陽炎の体に剣が当たると不思議な音が鳴った。まるで金属にぶつかったような音だ。


「え?」


「どうした?俺の体になにかあるのか」


 そう言って陽炎は剣を掴む。エルフの女の子は剣を抜こうとするが抜けない。


「悪いね。黙って話を聞いて貰えそうになかったから・・・」


「話しなさいよ!この悪魔!鬼!あなたはこの世界の異物よ!」


 ピシッと言う音がした。これは皆が聞きなれた音・・・そう、陽炎の額に青筋がたつ音だ。


「言ってくれるね。そんな悪口が多い子にはお仕置が必要だね」


「な、何が言いたいの?」


「フッ、”お仕置き開始だ”」


 陽炎がそう言うと、エルフの女の子の両手足に枷が付けられる。そして、両手を釣られて完全に動けなくさせられた。


「ま、今回は少し厳しくいくよ」


 そう言って陽炎はエルフの女の子の服を脱がす。そして、ぬがし終わると鼻フックをつけ釣り上げる。


「いだだだだだだ!いらぁい!やめてぇ!もうらめぇ!」


「これくらいで音を上げるなよ・・・な!」


 陽炎は容赦なく鞭で体を叩く。腕、足、胸、腹、お尻、太もも、色んな部位を叩きまくる。遂には女の子はまた泣き出してしまった。


「こんなもんでいいかな・・・」


 陽炎はそう呟いて領域(テリトリー)を解く。すると、女の子はその場に倒れ込み動かなくなった。意識を失ったのかと思ったが、少し違った。意識が朦朧としていて、ヨダレが垂れている。


「さてと、やっと話が出来そうだな」


 陽炎は小さくそう呟いた。

読んでいただきありがとうございます。いいねや☆、ブックマークをもらえると嬉しいです。感想などがあれば気軽に言ってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ