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第50戒 大きな力の代償

「かーくんかわいい〜♡モフモフのした〜い♡」


とか言いながら既にモフモフしている。今の状況を確認すると、陽炎は子供になってしまった。


「まさか・・・こうなるとは・・・」


「もしかして、こうなったのに心当たりがあるの?」


「ん〜・・・」


「言ってよ」


「ん〜・・・」


何故か陽炎は言い渋る。そんな様子にルーシャは腰に手を当て少し怒ったように言ってきた。


「言いなさい」


「ん〜・・・言っても怒るなよ。てか、殴るなよ」


「そんな事しないよ!」


半信半疑で陽炎は、話を始めた。


「それが・・・あの・・・」


「早く言いなさい!」


「・・・はい・・・」


渋々返事をすると陽炎は左目を抑えて魔力をため出した。


『っ!?何・・・それ・・・?』


その目には白い光を帯びた白い目が映っていた。


古代眼(エンシェント・アイ)の1種だ。でも、少し違う。呪戒古代眼(カースドエンシェント・アイ)だ」


『かーすどえんしぇんとあい?』


「そうだ」


「・・・」


「・・・」


「・・・」


「・・・で、どういう能力なの?」


「・・・言わなきゃダメか?」


「うん」


言わないとダメ。そう言われて顔を横に向けた。そして、立ち上がると部屋から出ようと・・・したけど止めれた。


「ちょっと、なんで逃げるの?」


無視して逃げようとする。だが、小さいせいか持ち上げられると動くことが出来ない。必死に逃げるが3人はがっちり捕まえて逃げられない。


「逃げちゃダメ!おしりペンペンだよ!」


陽炎の動きがピタッと止まった。まるで石になったかのように動かなくなった。地面につけると椅子に向かって歩き出しなんとかよじ登って座った。その様子を見ると、小さいせいかすごく可愛い。


「う〜ん・・・話すと長いんだけどね、皆を返した後にね、すごくね、ピンチになっちゃったんだ・・・それでね、仕方がないから禁忌魔法を使ってね気づいたらこんな目になってたんだ」


「え?」


「じゃあ、代償はなんなの?」


「・・・・・・・・・俺の心臓・・・」


『・・・え〜〜〜!』


そこからは騒然となった。陽炎の心臓を使ったということでなぜそんなことをしたのか、今なんで生きているのか、心臓はどうなったのか、など、色々なことで陽炎に問い掛けまくった。


「ん〜・・・一言で言うとね、心臓を取り出して使ったら新しい心臓ができてな、1度契約の呪いが着いたんだよ。でもな、魔王の力ってすごいもんで、その力を消して、逆に呪ったわけよ」


「呪ったって、誰を?」


「契約したのが理の悪魔だったからそれ」


「じゃあどうなったの?」


「だから、この目に理を改変する能力・・・いわば、ルール改変能力を手に入れたんだ」


「いや・・・そう言われても・・・」


だが、その時に1つ疑問が生まれた。


「なんでわかったの?普通わかんなくない」


「頭の中に流れ込んできてさ・・・契約した時に頭の中で悪魔が出てきたんだけど、俺の呪いの力の方が強かったみたいだな♪」


「みたいだな♪じゃないよ!本当にめちゃくちゃだよ・・・」


「ま、それは置いといて、この目の力を使うと代償がいるみたいで魔力が回復するまで俺はこの姿だからよろしくね♪」


「何を宜しくするのよ!?」


「てか、毎回代償がいるの?」


「当たり前だろ。力が強くなれば魔力だけじゃ足りないからな。そもそも、魔法を使うこと自体代償がいるだろ」


「代償って何を使ってるの?何も失ってないよ」


「魔力を失ってるだろ」


『あ!ホントだ!』


「弱い力を使う時は魔力で足りるけど魔力が足りないと他になにか失うの。まぁ、1日ぐらいで戻るがな」


全く理解できなかったけどなんとなくわかったような気がした。


「だからよろしく!」


威張り散らかしながら陽炎は言ってきた。どうやらちっちゃくなってもやることは変わらないらしい。


「そう言えば、あいつらはどうした?」


「あぁ、2人なら地下牢に閉じ込めてるよ。あの後暴れちゃったからほんのちょっとおしおきして捕まえたの」


「そうだったのか・・・確かに、あんなことになったら暴れるよな。見に行ってもいいか?」


「多分落ち着いていると思うからいいよ。でもその体だとなんだか威厳が・・・」


「フフフ・・・いらないさ。お前らがいてくれるならな」


「んもぅ♡そんなこと言われたら離れたく無くなっちゃうじゃん♡」


そんなことを言って抱きついてきた。凄く嬉しいのだが、今それをやられると良くない気がする。怪我してるの治ってないし、今、子供の力になってるから5キロのお米すら持てないくらいの力なはず。だとしたら、抱きつかれたり飛びつかれると当然コケる。


「うぎゅぅっ!」


やっぱりコケた。3人同時に抱きついてきたせいか全員コケた。陽炎はなんとか起き上がると怪我している部分を見た。傷は広がってなくなんともない。


「はぁ・・・よかった。さ、行くぞ」


『・・・うわぁぁぁん!痛かったぁぁぁ!』


「・・・」


『うわぁぁぁん!』


「いや、お前らが泣くのかよ!」


とりあえず地獄絵図になりそうだったので陽炎は逃げた。それを見た3人は泣き止むと陽炎を追いかけた。


「・・・何してるの、陽炎くん?」


そこには再びコケた陽炎が倒れていた。どうしたのか聞いたが返事はなく起き上がる様子もない。そんな陽炎を見てルーシャがおんぶをして、持ち上げた。


「良くやった。さぁ行くぞ」


やっぱり起きていた。どんな姿でも陽炎の威厳は変わらないらしい。それだけわかってほっとした。


━━それから5分・・・陽炎の魔力が万全じゃないため歩いて向かった。牢屋に着くと2人の牢獄が見えてきた。そこだけ何故かとてつもなく厳重にできている。


「フェルル!ファルル!かーくんを連れてきたわよ!」


『っ!?』


ガチャッとい音がした。遠くだとよく見えないが近寄ってみるとわかる。体中に鞭で叩いたあとが無数にある。特にお尻は酷い。かなりきついおしりペンペンだったのだろう。棒のようで叩いた跡が残っており、ルンゴより赤い。手足は拘束され鎖で繋がれている。座っているのはファルルはトゲトゲの台座に正座させられ重りを置かれている。そして、フェルルは三角木・・・


「いや、ちょっと待て。テム、お前さっきほんのちょっとって言ったよな?これ、ほんのちょっとか?」


それは、とこからどう見てもほんのちょっとには見えなかった。2人ともボールをくわえさせられ泣いている。


「これやばいだろ。よだれダラダラじゃねぇか。てか、フェルル、お前漏らしてんじゃねぇか」


2人はなんの反応もない。というより反応することが出来ないほど痛めつけられている。これはやばい気しかしなかった。隣ではニコニコで立っているテムがいる。


「はぁ、仕方がない・・・」


そう言うと背中から降り牢獄の中へと入っていった。


「ちょっと回復させてやるよ。”ファーストヒー・・・”っ!?」


魔法が発動しなかった。詠唱は途中で中断した。左目に激痛が走る。それに気づいた3人は牢獄に急いで入り込み治癒魔術をかけた。


「だ、大丈夫!?」


「何があったの!?」


「回復しようと・・・魔法を使ったら・・・」


「ダメだよ。今の状態で魔力は使ったらダメ」


ディリーがそう言ってくる。確かに、使わない方が身のためだ。だが、魔法を使っただけでこの痛みはおかしい。急いで3人の方を見たら3人は何か気まづい様な何かを隠しているような顔をしていた。


「な・・・何を・・・隠している・・・?」


「いやぁ、ちょっと・・・」


「話せ。でないと、おしりペンペンだぞ」


「えぇ〜・・・でもなぁ〜・・・今のかーくんにされても痛くないだろうし・・・」


「じゃあ、やってみるか?今すぐそこでズボンを下ろしてパンツを脱ぎ膝に手をつけ」


流れるように陽炎は言った。もう、お決まりだ。テムはニコニコしながら言われた通りの姿勢をとった。そして、叩くぞ・・・と、思った。だが、テムの言う通り今の俺では痛くも痒くもないだろう。マッサージ程度にしかならない。だが、ここはどこだ?牢獄だ。だとしたら・・・


「まぁ、ここら辺に棒があってもおかしくないよね」


一瞬でテムの顔が青ざめた。手足を震えさせ涙を流している。


「行くよ〜!」


無邪気な陽炎の声とともにバチィィン!という鈍い音が響渡った。


「━━で、話を戻すが俺の体に何があった?」


陽炎は聞いた。3人は泣きながら話し出す。どうやら残りの2人もやられたようだ。


「ひっぐ・・・ひっぐ・・・実はね、かげくんをね、治療した時にね、気づいたんだけどね、左目こ魔力回路が焼ききれてるの」


「え?何それ?」


純粋な質問だった。いきなり異世界に飛ばされ、この世界のことを知ることもまだ出来てはいない。そんな中、新しい言葉が出てくると誰でもそうなる。


「魔力回路って言うのはね・・・ひっぐ・・・魔法を使うのに・・・ひっぐ・・・魔力を流すための管みたいなやつのことよ・・・ひっぐ」


「それ、やばいじゃん。早く言ってよ・・・」


小さくそう呟いた。すると、3人は泣きながら慌てながら言ってきた。


「だ、だ、だ、大丈夫だよ!それの代わりに何かわからないものが着いているから!」


「それもそれで怖いだろ!・・・はぁ、どんなのが着いてんだ?詳しく話してみろ」


「わかったわ。えっとね・・・」


「待て!その前に、2人のこと忘れてたから先にそっちをどうにかしよう」


「・・・そだね。本当に忘れてたわ」


3人は顔を赤くして2人に向き合った。陽炎は後ろで左目に手を当て自分の手を見つめた。

読んでいただきありがとうございます。

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