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第43戒 戦前の準備と作戦

 目を覚ますといつもの朝だ。いつものベットでいつも通り寝ている。そして、いつも通りテム達が裸で抱きついて寝ている。


「・・・て、いやいやいや・・・なんでここに・・・」


 と、起こそうとしたがやめた。なぜなら、昨日の夜の記憶が無いからだ。もしかしたら自分が呼んだかもしれない。そう思って止めた。


「記憶がないな・・・それに、なんでこんなに散らかってるんだ?しかも、俺の傷が塞がっている。一夜で治るような傷でもなかったのに・・・」


 3人の寝顔を見ながらそう呟いた。それにしても、可愛い寝顔だな。陽炎はそんなことを思いながら3人の頭をそれぞれ撫でた。すると3人は起きた。どうやら起こしてしまったみたいだ。


「起こしちゃったか・・・ごめんな」


「ん・・・んぁ・・・あれ?かーくん起きたの?」


「んぁぁ、おはよう」


「おはよう・・・ふわぁぁぁ・・・」


 皆もそれぞれ起きた。起きるなり陽炎を見つめて涙を流しだした。


「お、おい・・・どうした?」


「う・・・ひぐっ・・・ひぐっ・・・うわぁぁぁん!うわぁぁぁん!」


 3人は泣き出すと大粒の涙を流して飛びついてきた。


「お前ら・・・そうか、心配かけたな」


「うん・・・もう、あんな無茶はやめてよ・・・」


「分かった」


「ダメ!そんなんじゃまた無茶するでしょ」


 ギクッとした。なんせ図星だったから。陽炎が冷や汗を流して横を向いているとテムが驚きの言葉を放った。


「・・・無茶はしていいよ」


「え!?」


「でも・・・絶対に帰ってきて。例え何があっても、大きな傷を負っても、絶対生きて帰ってきて。死んじゃだめだよ」


「う・・・あ、あぁ。分かった」


「誓って」


 テムが真っ直ぐな目でこっちを見ている。陽炎も真っ直ぐ見返して言った。


「誓おう。例え何があっても、絶対生きてお前らの元に帰ってくる」


「絶対?」


「あぁ絶対だ。魔王・・・いや、久遠陽炎の名に誓って・・・な」


 陽炎がそういうと3人は満足したかのように顔を明るくした。そして、陽炎に3人同時に飛びついてきた。陽炎はベットの上に倒されると抱きついてきた3人を優しく包み込んだ。


 ━━それから少しして3人はその場から離れた。


「そろそろ時間だ。俺はギルドに行く予定になっている。お前らはここで休んでろ」


『うん』


 そして陽炎は出ていった。


「・・・はぁはぁ・・・」


「・・・恥ずかしかった・・・」


「力・・・強いね・・・」


 3人はベットで顔を赤くしてうずくまっている。何があったのか説明すると、ベットで寝ている間陽炎はずっとテム達のお尻や胸を触っていたのだ。しかし、わざとではなく寝ていたので寝相が悪いだけだった。


「はぁはぁ・・・でも・・・気持ち・・・良かった・・・」


『うん・・・』


「お尻に痕が着いちゃった・・・」


 3人はそれぞれのお尻を見合わせると恥ずかしくなってその場にへたりこんだ。


 ━━再び陽炎は・・・今ギルドの中にいた。ギルドでは冒険者達が並んでいる。その前で陽炎が立って何かを言っている。


「お前達冒険者に伝える!あと数時間で我が国にサモナール王国軍が攻めてくる。指揮はβに一任する。お前らはβの指揮の下敵を撃退してもらいたい。わかったやつから戦闘準備をしろ!」


『了解!』


(どうやら上手くいってるみたいだ。全員俺を信じきっている・・・フフフ・・・さて、次の所へ行くか)


「ここは任せたぞ」


「分かりました。お気をつけて」


 ━━場所は変わって魔王城地下牢では・・・


「ほんとに出られるのかな・・・私達・・・」


「分かんないよ」


「よぉお前ら、元気にしてるか?」


 静かな場所になんと陽炎が来た。


「え!?魔王!?どうしてここに!?」


「サモナール王国が攻めてきている。撃退対したあとこちらから攻めるつもりだ。それだけはお前らに知っておいて欲しかったんでな」


 陽炎はそう言って帰ろうとした。すると2人は引き止めてきた。


「待って!ねぇ、そのサモナール王国に攻めるの私達も参加させて」


「嫌だ」


 即答だった。それもそのはず、なんせこの2人はサモナール王国のの暗殺者なのだから。いつ後ろから殺されるかも分からない。


「分かってるよ!考えてる事は・・・でも、どうしても自分の手で助けたいんだ!」


「わかってるの!それでも、私の力で助けたいんだよ!」


 2人は真っ直ぐ言ってきた。しかし・・・


「ダメだ。どうせお前らが戦っても勝てんぞ」


「まだ分かんない・・・」


「いや、分かるさ。何故なら・・・恐らくだがお前らの姉のところにいるのは国王だ。この意味分かるか?」


「え?・・・それって・・・」


「まさか・・・」


「お前らの姉は王城に囚われている。ζからの情報だ。間違っている可能性は低い」


「そんな・・・」


「だから・・・」


 諦めろ。そう言おうと思った。しかし、その言葉は途中で遮られた。


『諦めたくない!私達の姉だもん!私達の力で助けたい!』


「自分の力が届いてないとしてもか?」


 コクンと頷いた。


「例えそれで死んでもか?」


 再び力強くコクンと頷いた。


「・・・良いだろう・・・」


 陽炎がそう言うと2人の顔が明るくなった。しかし、陽炎はまだ続けて言った。


「と、言いたいところだがお前らは人に頼む態度がなってない。俺は魔王だぞ。それ相応の頼み方ってものがあるだろ」


 そう言って2人の服を指さした。2人は顔を少し暗くして赤くなった。そして、遂に決心した。服を脱いで正座をした。


「待て、下着はどうした。履いたままか?」


「え!?そんな・・・」


「・・・脱ごう・・・フェルル・・・」


「うん・・・」


 そしてブラを外してパンツを脱いだ。もう一度正座をするとそのまま地面に手を付き頭を下げた。これが属に言う裸で土下座と言うやつだ。


『お願い・・・します。私・・・達も・・・一緒に・・・戦わせて・・・ください・・・』


 2人は涙を流しながら頼んだ。地面には涙で出来た水の跡がある。陽炎は不敵な笑みを浮かべると2人の頭に手を置き髪の毛を掴んで顔を挙げさせた。


「良いだろう。その反応、嫌いじゃないぞ。・・・一つだけ言っておく。俺はお前らに殺されかけたことは許していない。許して欲しいならそれ相応の行動をしろ。死にたくないなら行動で示せ。出来なければ殺す」


「わ、分かり・・・ました・・・」


「そうか、ならその時になったら呼んでやる」


 そして陽炎はその場からいなくなった。2人はそこに残されると力が抜けたように頭を下げ土下座の姿勢を長い間続けた。


 ━━再び場所は変わって魔王城、魔王の間・・・陽炎は椅子に座っていた。街の外を見ていると既に戦闘が始まっているところもある。


「フッ、このままでも大丈夫だな。俺が出る幕はないか・・・」


「かーくん・・・出る気だったの?」


「まぁな」


 すると3人が驚きの顔でこっちを見ている。・・・ダメだったのか・・・


「ゴホンッ・・・まぁ、どっちにしろ俺が出向かないとダメだぞ。この後サモナール王国王城に呼ばれる予定だからな」


「予定って、陽炎くんもしかしてだけど・・・」


「そのまさかさ。呼ばれたら多分暗殺されるから国を落とす」


「殺されるの?許さないよかげくん!」


「死ぬわけないだろ。暗殺者が来るってことだ。その暗殺者を殺すかはその時決める」


「もう殺すときの話をしてるよ・・・」


 3人は呆れて何も言えなくなった。そしてそれから40分がたった。サモナール王国軍は、戦力が大幅に減らされたからか直ぐに撤退を始めた。それを見て陽炎は不敵な笑みを浮かべた。


「予想通りだ。我々の作戦はステージ2へと移行する。さぁ面白くなってきたぜ!アハハハハハハハハハハハ!」


 陽炎の笑い声がその場に大きく響いた。テム達3人はそれを見て信頼と期待を込めて不敵な笑みを浮かべた。

読んでいただきありがとうございます。

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