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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
野犬編

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犬ではない何か

 目の攻撃に一瞬動きを止めた狼。

 横から仲間の犬が飛びかかる。

 群れのナンバー2だ。


 顔を攻撃したのはこの犬だと思ったのだろう。激しい怒りが向けられる。

 狼は犬の牙を恐れず、頭から突っ込み、ナンバー2をあっさりと地面に押さえつけてしまった。

 犬の骨を噛み砕く強烈な顎が仲間に襲いかかる。


 俺は狼の後ろ足を狙った。

 足にかじりつき両前足を絡めるようにして俺は仰向けに転がる。

 脚を固められた狼も一緒に仰向けになった。

 俺はどこでこの技を覚えだのだろう。

 狼の怒りが驚愕に変わる。

 何故自分がひっくり返っているのか理解出来ないのだ。

 上から攻撃するナンバー2にひたすら抵抗する。


 狼は渾身の力を振り絞って、脚を取る俺から脱出する。

 ナンバー2は自分の方が強いと勘違いしたのだろう。

 真っ直ぐ狼に飛びかかって行く。

 気勢を削がれた狼だが力の差は歴然だった。

 ナンバー2はまた地面に押さえ付けられた。


 二匹の戦いは単調だ。工夫が無い。

 だから同じ手が二度通用する。

 俺は再び狼の足を取って奴を仰向けにひっくり返す。

 何が起きているのか理解出来ない狼は罠に足を捕られた獲物の気分だろう。

 訳が分からすパニックになる。

 戦う事よりも抜け出す事に必死だ。


 勝機と見た俺は狼の足を放し腹に食らいつく。腸を狙って。

 犬らしく戦うナンバー2に対して俺の戦いは全く異質。理解の範疇を越えていた。

 犬ではない何かに襲われている。

 恐怖を感じた狼は悲鳴のような甲高い声を上げて俺たちを振り払うと逃げ出した。

 仲間の狼達も後に続く。


 逃げ出す狼達を追いかけようとする犬達。

 だが俺は止めた。

 深追いは禁物だ。返り討ちに合う。

 それよりも雌達を守って戦っている仲間達に合流だ。

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