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急襲
背後からの急襲。
狼達の本能に恐怖が走る。
だが怯んだのは一瞬だ。
俺が狼のリーダーの首に牙を打ち込む瞬間、奴は俺が犬だと感ずいた。
狼は姿勢を低くする。一瞬のわずかな変化だが俺の牙は奴に届かず毛皮をかすめた。
屈んだ姿勢から跳ね上がるように俺に体当たりをくらわす。
狼の牙は免れたが、俺の体は宙で仰向けになり背中から地面に落ちた。
狼は俺に飛びかかると前足で押さえ込む。
狼の反応速度、瞬発力、全身の筋肉は俺を上回る。
鋭い牙が俺の目の前に迫る。
だが知恵は俺の方が遥かに上だ。
後ろ足で狼の股間を蹴り上げる。
およそ犬らしくない攻撃だ。
狼は苦悶の唸りを上げて飛び退いた。
俺が体勢を立て直して起きあがると、狼は警戒して俺を見ていた。
痛めた後ろ足を引きずるような動き。
奴は自分が受けた攻撃を理解出来ていない。
俺は狼の顔めがけて右から飛びかかる。
俺の牙が奴の顔に届くよリ早く狼は体を翻し俺に噛み付く。
俺は急停止した。狼の牙は届かない。フェイントだ。
奴の右目は俺を捉えている。
俺は死角から右足で狼の顔を薙払う。
俺の爪が見事に狼の左目を捉えた。




