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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
野犬編

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急襲

 背後からの急襲。

 狼達の本能に恐怖が走る。

 だが怯んだのは一瞬だ。

 俺が狼のリーダーの首に牙を打ち込む瞬間、奴は俺が犬だと感ずいた。


 狼は姿勢を低くする。一瞬のわずかな変化だが俺の牙は奴に届かず毛皮をかすめた。

 屈んだ姿勢から跳ね上がるように俺に体当たりをくらわす。

 狼の牙は免れたが、俺の体は宙で仰向けになり背中から地面に落ちた。


 狼は俺に飛びかかると前足で押さえ込む。

 狼の反応速度、瞬発力、全身の筋肉は俺を上回る。

 鋭い牙が俺の目の前に迫る。

 だが知恵は俺の方が遥かに上だ。


 後ろ足で狼の股間を蹴り上げる。

 およそ犬らしくない攻撃だ。

 狼は苦悶の唸りを上げて飛び退いた。


 俺が体勢を立て直して起きあがると、狼は警戒して俺を見ていた。

 痛めた後ろ足を引きずるような動き。

 奴は自分が受けた攻撃を理解出来ていない。


 俺は狼の顔めがけて右から飛びかかる。

 俺の牙が奴の顔に届くよリ早く狼は体を翻し俺に噛み付く。

 俺は急停止した。狼の牙は届かない。フェイントだ。

 奴の右目は俺を捉えている。

 俺は死角から右足で狼の顔を薙払う。

 俺の爪が見事に狼の左目を捉えた。

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