↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
魔犬編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/63

書物

 家には誰もいない。

 出来ることは自分でするを旨とする姫は、必要な時以外侍女を使わなかった。


 俺は広間や姫の執務室を見て回る。

 とても物の少ない家だ。

 家出する時、必要最低限の物しか持ち出さなかったのだろう。


 書斎は無かったものな。

 だが、家で本を見た気がする。

 姫の私室を見たときだった。

 小さなテーブルが有る。


 そうだ。

 姫は分厚い本をテーブルに置いた。

 覚えが有る。


 俺は両前足をテーブルにかけて立ち上がる。

 これだ。

 黒い表紙に金色の幾何学模様が書かれた古い本が乗っていた。


 俺は本を読もうと、後ろ足で体のバランスをとる。

 厚紙で作られた固い表紙に爪をかけ開いてみた。

 見た事もない文字が大きく書かれている。

 本のタイトルだろう。

 読めない。


 この本から何か知ることは出来ないだろうか。

 よく読まれている箇所を探ってみるか。


 本の中程を狙って、慎重に爪を差し入れる。

 ゆっくりと開く。

 年季の入った本だ。何度も開かれるページは背表紙の糊が剥がれて開きやすくなっているはずだ。


 まとまって開かれるページ。

 その間に、平らに開かれる箇所が幾つも有る。

 思った通りだ。

 しかしどのページも読めない文字で埋め尽くされている。


 本のはじめの方を開く。

 このページはかなり傷んでいるな。相当に読まれている証拠だ。

 これは記号か。

 説明らしき文字の連なりの先頭に絵のような物が書かれている。

 六個有る様だ。


 これは火だろうか。ならばこれが水か。これは風かな。

 形から連想してみる。

 しかし想像が付かない物も有る。


 姫の気配。帰ってきたんだ。


「シェパードがいるの」

 兵士と話す姫の嬉しそうな声が聞こえた。


 俺は尻尾を振りながら玄関に向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。