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泊まり歩き
「よう。シェパード隊長。今日は俺んちで飯を食ってけよ」
姫の家に向かって歩いていると兵士が声を掛けて来た。
俺は申し訳無い気持ちを込めて鳴く。
「そうか。先約が有るのか。いつでも来いよ」
村に来た当初、俺は飼い犬として姫の家で寝泊まりしていた。
「あら。名犬シェパードじゃないの。たまには泊まってらっしゃいよ。子供も喜ぶからさ」
俺は更に申し訳無い気持ちを込めて鳴く。
「あら。残念ね。いつでも来ていいんだからね」
夕方になるとあちこちから声がかかる。
村人から信頼されるに従って、俺の世話をしたいと言う者が増えて行った。
はじめて姫に申し出たのはグラッドだった。
「姫。シェパード隊長を貸して下さい。狩りのお礼に何か食べさせてやろうと思うので」
誰よりも俺を警戒していた彼だが、今ではかなり俺の事を気に入ってくれている。
俺はなんて幸せな犬なんだ。
皆に好かれ穏やかに暮らせるなんて。
姫の問題を解決したら、落ち着いてのんびりと暮らそう。
兵士達と狩りをしながら。
毎日楽しく穏やかに。
俺は明るい未来に思いを馳せていた。




