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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
魔犬編

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マナならいくらでも

 もっと魔法について聞きたかった。

 残念だ。

 だが収穫は有った。


 分かった事をまとめよう。


 マナとはこの世界そのものだ。

 俺たち動物もその一部。


 エルフはマナの世界から分断されている。

 何故かは考えないでおく。


 事実としてエルフは少しのマナしか持っていない。

 それに対して俺のマナは無尽蔵だ。


 この事実を知ったのは大きな収穫だ。

 よし。ここから考えよう。


 姫は俺の傷を癒やすためにマナを消費した。

 回復魔法と言った所だ。

 傷は深く、回復には多くのマナが必要だった。

 結果的に姫のマナは枯渇した。


 もし枯渇したマナを回復する魔法が有ったとしたら。

 都合よく考えすぎだろうか。


 だが有ったとしたらどうなる。

 術者が自分のマナを消費して姫のマナを回復する。

 術者のマナを姫に移すと考えても良い。


 姫が蓄えられるマナの量は規格外。

 術者は姫の胸いっぱいにマナを満たせられる者でなければ。

 大量のマナの持ち主。

 それは俺だ。

 もし俺がマナの回復魔法を使えたら。

 枯渇する事無く、姫にいくらでも与えられる。


 可能だろうか。

 もしかすると俺は、魔法を知らぬが故に、希望的観測に陥っているのだろうか。


 魔法の知識が欲しい。

 知識さえあれば正しい判断に基づき適切な行動がとれる。

 知識さえあれは、行動の選択肢を増やせるかも知れない。


 知識の量と質が勝敗を分ける。

 隊を率いる俺にはその事が重要だった。


 えっ。俺は今、隊を率いていると思ったか。

 率いているのは群れの筈だ。

 俺はシェパード隊長と呼ばれてはいるが。

 近頃、益々犬らしく無くなっている気がする。

 エルフと暮らしているからだろうか。


 その事はどうでも良い。

 今考えるべきは魔法の知識の習得だ。

 どうすれば良いだろう。


 俺がエルフだったら、姫に魔法を教えてもらえるのにな。

 姫は魔法の先生なのだから。


 そうだ。姫の家だ。

 先生をしている姫ならば、家に魔法について書かれた本が有るのでは。


 久し振りに姫の家に行って見るか。

 家で本を見たような気もする。


 俺は姫の家に向かった。

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