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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
魔犬編

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第六感

 まずは嗅覚。

 絶対の自信を持つ感覚。

 狼や熊にも引けをとらない。

 動物の中でも上位だろう。


 次に聴覚

 これも強みだ。

 遠くの音を聞き分け、嗅覚と連動させて獲物を察知出来る。


 視覚

 俺は普通の犬と違うかも知れない。

 右目はあまり良くないが、こちらは夜目が利く。

 左目は夜あまり役に立たないが、明るい所では遠くまで見通せる。

 見える色も鮮やかだ。


 味覚

 これは駄目だ。自信がない。

 エルフの方がずっと良さそうだ。


 触覚

 これも強い。

 毛の先で敏感に物を感じ取れる。


 世界感覚

 動物ならば誰もが持っている六番目の感覚だ。

 世界と繋がる感覚。

 世界をそのまま感じる能力だ。


 感覚を研ぎ澄ませると、この六番目の感覚が際立ってくる。

 俺の体が意識の中で青白く光り出す。


 マナを意識していた俺は突然理解した。そうだ。これがマナだ。


 俺は意識を強めた。

 光は俺の体内だけではなかった。

 体の境界線を超え遥か外まで広がっている。


 更に強める。

 心の中に青白い光を放つ外の景色が広がって行く。

 青白い空。青白い木々。青白い地面。

 青白い集落。青白い校舎。


 エルフだけが影のように黒く浮かび上がっていた。

 胸元に微かに小さな青白い炎を揺らめかせながら。


 マナに導かれ、更に意識が強まって行く。

 青白い光が強まり白くなる。


 心の景色が眩い光でホワイトアウトする。

 俺は白い光の世界に同化していた。


 そうか。俺ははっきりと理解した。

 マナとは世界そのものだ。

 なので俺もマナの一部。

 境界など存在しない。


 そうだ。俺は果てしなく広がるマナその物なのだ。


 俺は自分のマナを見つけた。

 見つけたと言って良いのだろうか。

 理解したと言うべきか。


 極度に研ぎ澄まされた感覚を解いて行く。

 俺は日常感覚に戻って行く。


 俺は戸口から教室を覗いていた。

 驚いた。

 マナを見る能力が備わっている。


 子供達の胸に小さな青白い光。

 特に光が強い子が二人いる。将来有望か。


 姫は胸いっぱいに影の様に薄く青い光。

 子供達に比べて大きさが規格外だ。

 かってはこれだけの量が明るく輝いていたのだろう。


 俺のマナは。

 なる程。

 眩い光が体の内と外との境なく、果てしなく広がっていた。


 二人の子供のマナが揺らめく。

 俺に気づいた。直感が走る。


「あ。シェパード隊長だ」

 子供達が授業を放棄して俺を撫でに来た。


 結局俺は授業から閉め出されてしまった。

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