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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
飼い犬編

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36/63

失禁

「ひっ」

 男は心底恐怖を感じていた。

 怖がりすぎだぞ。


 俺は剣を収めるように後ろに下がる。

 咥えた剣を口から放すと、柄を鼻に掛けるように振り回す。

 鼻の周りを回転した剣を宙に飛ばし、切っ先を平らに咥えて、柄を男に差し出す。

 ほら。お前の剣だ。返すよ。


「ひっ。ひぃー」

 柄を突き出されたのに尚更恐怖するこの新兵。


 おいおい。

 兵士のズボンに染みが広がり、床に水たまりが出来て行く。


「ひ、姫。姫様ぁ」


 腰が抜けたように立ち上がると、泣きながら外に駆けて行った。


 おい、垂れてる。垂れてるぞ。床に。

 俺は何か大変な事をしてしまったのかも知れない。

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