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這いずリ回る犬
その日から俺は水脈探しに奮闘した。
全身の感覚を研ぎ澄ます。
自分と世界が一体になる感覚だ。
地面に伏せて、そのまま体を引きずりながら前進する。
頭を右に左に捻りながら。
鼻で地の底の匂いを探り、耳で地の底の音を聞き分ける。
水脈の音と匂い。
俺の狙う獲物はその一点だ。
普段から気味悪がられている俺の行動は不気味さを増し、エルフの女性達を震え上がらせた。
余りにも不気味すぎます。姫に俺の異常行動の報告が上がっているようだ。
「きっと遊んでいるのでしょう」
姫は全く気にとめていなかった。
いや。気にとめる余裕すら失っているのだ。
早いとこ姫の心を軽くしなければ。
心が耐えきれなくなってしまう。
俺は必死だった。
この近くにもう水脈は無いのか。
しかし、水脈の気配は体毛の先に感じているのだが。
どう言うことだ。
まさか。いや。普通にあり得ることだ。
水脈の上に家が立っていれば。それは盲点だ。
俺は家々の床下を這いずリ回った。
住民にとっては迷惑この上無かったらしい。




