嫌われ者
飼い犬になって数日。
やはリ思った通りだった。
食糧不足に水不足。
姫は気丈に振る舞っているが、心が折れないか心配だ。
率先して狩りに出ている姫だが、野ウサギ数匹しか狩れずに帰ってくる日も珍しくない。
水不足についても、姫が先頭に立ってあちこち井戸を掘っているのだが、いっこうに水脈を掘り当てられずにいる。
他にも困った事が有る。
俺の事だ。
俺は村の男達から嫌われていた。
子供達はあまり俺に近づくなと言われているのだろう。
女達も俺のことをあまり気に入ってはいないようだ。
唯一の味方は姫だけだった。
理由はいくつか有る。
まず、敬愛する姫のマナが枯渇してしまった原因が俺にある。灰色熊の傷を癒してくれたあの時だ。
そのせいで、姫は今、魔法が使えない。
二つ目に俺の目だ。
鏡を見て俺は驚いた。
今まで水に映る自分の姿を見て、左右の目の色が違っているなと思っていたのだが、そのレベルでは無かった。
目そのものの作りが違っているのだ。
三つ目に俺の行動だ。
エルフの知っている犬と俺の行動が違いすぎるらしい。
目の違和感と合わせて異質な印象を見る者に与えるようだ。
気味が悪い。
その一言に尽きるとか。
全ての解決は村を救うことで達成可能だ。
村を救うことは姫を救うこと。
そして俺を認めてもらうことにも繋がる。
何としてでもなもし遂げたい。
犬は人間にとって最高のパートナー。
どこかで聞いた気がする。
エルフと犬ではどうだろうか。
なれる気がする。
まず優先すべきは水源の確保だ。




