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戦死した俺は異世界で犬の生活  作者: ウエンズディー・S・水田
野犬編

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別れ

 俺は大きな木の根もとで眠りについているナンバーツーの鼻先に顔を近づけた。

 鼻と鼻が触れ合う。

 ナンバーツーはゆっくりと目を覚ました。


 夜の森を歩く。群れから次第に離れて行く。

 ナンバーツーは俺の後を付いてくる。

 しばらく歩いた俺は立ち止まると振り返った。

 鼻と鼻が触れ合う。

 お互い匂いを嗅ぎ合う。


 意志疎通は出来るだろうか。

 俺は不安になった。


 しばらくしてナンバーツーは俺から数歩後ずさると悲しい声で鳴いた。

 そうだ。分かるな。俺は群れを去る。お別れだ。

 今からお前がリーダーだ。


 俺の感情を感じ取ってくれた。

 俺が立ち去りかけると悲しげな声が背中に向けられた。

 俺は思わず足を止める。


 お前は優しい奴だものな。

 ずっと俺を頼ってくれてたな。

 俺のことが大好きだものな。

 だがそんな事では一生リーダーになれないぞ。


 さあ、お前がリーダーだ。

 俺を群れから追い払え。


 立ち去って行く俺の後ろから悲しい声が聞こえてくる。

 まさか後を付いてこないだろうな。

 群れを離れる決心が鈍ってしまう。

 俺は不安になった。


 だが俺達の距離が離れた時だった。

 ナンバーツーが意を決したように激しく吠え立てた。

 それでいい。

 さあ俺を群から追い出せ。

 もっと激しく吠えろ。

 こう有るべきなんだ。

 俺は群れを後にした。

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