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私は命を無駄にしない
エルフの女性は魔法で俺の傷を癒やすと立ち上がった。
見守る男達の元に戻って行く。
「本当に宜しかったのですか」
「はい。構いません。それよりもあの熊は食べられますか」
「調理法を工夫すれば食べられるかと」
「そうですか」
女性は死んだ灰色熊に跪いて頭を下げた。
「仕方なく殺してしまいました。あなたは危険すぎるのです。でもあなたの死は決して無駄にいたしません」
男達は熊を用意しておいた荷車に積んだ。
「姫。フードをかぶらねば。顔を見られるやも知れません」
「そうでしたね」
女性は白いフードで再び顔を隠した。
「鹿狩りが熊狩りになったな」
男達が話している。
「それではワンちゃん。元気でね」
「姫ともあろうお方がワンちゃんなどと軽々しいお言葉を使われては」
「あなた方の他に誰も聞いておりません」
姫と呼ばれるエルフの女性は俺に手を振ると森を去って行った。




